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森下真樹×束芋 《錆からでた実》

森下真樹×束芋 《錆からでた実》 
  京都芸術劇場 春秋座 2014.11/8-9 (11/9)

 森下真樹(舞踏家)と束芋(現代美術家)のコラボによる、コンテンポラリーダンス作品《錆からでた実》の公演が、京都造形芸術大学内にある京都芸術劇場・春秋座で行われた。振付は森下、舞台美術は束芋、構想はふたりで行い、ダンサーは、きたまり、川村美紀子と森下の3名だ。初演は、昨年、東京の青山円形劇場だが、舞台構造がかなり異なるので、今回に向けて若干の作品修正もあったようだ。
IMG_8363_convert_20141213195009.jpg
森下は、これまで映像を作品の中に取り込んだ事はなかったが、束芋とは、年齢や家族構成(3姉妹)等が同じことから交流が始まり、ようやくこの作品にたどり着いた。束芋も振付家とのコラボは2回経験していると言うものの、従来作品のアレンジに留まっており、構想から始めるのは今回が初めてだ。また、ダンサーの2人も、共にコレオグラフィーや横浜ダンスコレクション等の受賞者というこの個性派を、森下がどの様にまとめ上げるのか。《錆からでた実》は、全てがチャレンジなのだ。
公演の開始早々、カーテンが上がり始めて、3人のダンサーの足だけが見えるところで止まる。足だけを見せるダンスが始まる。しかしカーテンの上には、ダンサーの影と思える映像が映し出されており、本当の人影であるかの様な動きを見せる。後半部分でも、映像が映った背景の後ろにダンサーが入ると、その映像の中に人影が映し出され、まるで人が動き回っている様にみせる。この様に映像が、ダンスと密接な関係で制作されているのは、あまり例が無いと言ってもいいだろう。
映像は、通常、ダンスを引き立たせる役目になるが、束芋の場合、ひとつの作品として成立する程の強烈な個性と完成度を持っている為に、ダンスそれ自体を飲み込んでしまう危険性も孕んでいる。舞台を見ていると、激しく踊るダンサーに目が釘づけになっていたり、鮮やかな映像に目を奪われたりと、ダンスと映像の間を視線が行きつ戻りつしているのに気づく。だが、3人のダンサーのパワー溢れる動きの前では、心配は無用であった。むしろ、束芋の映像の持つ存在感が、ダンスと激しくぶつかり合う事で、作品の熱気を更に増加させる事になった。
ダンサー3人は、まるで3姉妹だ。3人の群舞を見ていると、長女(森下)の振付で、要領良しの次女(きたまり)とやんちゃな三女(川村)をうまくまとめ上げている様に見える。この長女なしでは、これだけ個性の強い人の集りを制御できないのではと思わせる。ダンスは、群舞とソロの両方が演じられ、ソロの時は、それぞれのダンサーにかなり自由度が与えられていた様だ。川村などは、いつもの激しい動きが戻り、舞台狭しとばかりにパフォーマンスを見せつける。遂には、舞台下の観客席前のスペースで踊り出すほどで、殆ど暴走と表現した方がわかりやすいかもしれない。しかし、これも森下の振付の想定内の事なのだろう。計算された動きの群舞と自由奔放なソロが、対比をなして、重層的なパフォーマンスとなっている。
この作品のタイトル《錆からでた実》は、何やら奇妙な言い方だ。その意味するところは、「身から出た錆」の『錆より更にその先に、実がある』(苦しんだからこそ、その先に何かがある)という希望なのだそうだ。公演を見た限りでは、確実に、いくつもの実りを収穫できたようだ。

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<講演後のトーク>
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公演後のトーク(束芋&森下)では、森下さんの要望で映像を修正したとの話が出たので、アニメーションをそんなに短時間で修正できるのですかと質問したら、
 「そんなあんた、大変なのよ」
と、束芋さんが答えていました。
IMG_7775_convert_20141213201051.jpg
トークの最中に、控室に戻る途中の、きたまりさんと川村美紀子さんが近くをゆるゆると通りかかったので、呼び止めて一緒にトークに入ってもらう事になりました。川村美紀子は、ダンスはあんなに過激なのに、トークになると借りてきた猫みたいにおとなしかったのが印象的でした。
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川村美紀子さんについて

4月頃、ダンス評論家の亀田さんのブログを見ていたら、以下の記事が・・・
―――――――――――
2013年度の舞踊批評家協会賞の授賞式が開催されました。
■日時:2014年4月19日(土)11:30
<新人賞>
川村美紀子さん(コンテンポラリーダンス)
 ・・・・(※略)・・・・・
川村さんの受賞コメントが本当にユニークで度肝を抜かれちゃいました(笑)。授賞式に車で送ってくれたお母様に想いを込めてとのことで、自作の歌を披露。艶やかなお着物姿でしたが、突然履いていた鈴付きのこっぽりを脱いで両手に持ち、まるで楽器みたいにこっぽりを打ち鳴らしてリズムをとりはじめました。で、渋い声で熱唱。
――――――――――――
“ユニークで度肝を抜かれた“って、どうゆう? 気になって、YouTubeで調べてみたら、違う賞の授賞(第7回 日本ダンスフォーラム賞 シンポジウム)の様子がUpされていました。皆さん、あっけに取られて笑ってましたが、こんな感じの仰天あいさつ(歌か)だったのでしょうか。
それでは、いったい川村さんのダンスは、どんなものかと気になったので、受賞の対象となった作品<ダンスがみたい!>「イチゴちゃん」(2013年8月12日-13日、日暮里d倉庫)を探してみたらありました。★ダイジェスト版★なので作品の雰囲気を感じる程度ですが、私の「コンテンポラリーダンス」のイメージを揺さぶられるものでした。
他には、何かUpされてないかと探してみたら、「裏企画」なるものがありました。
国内最大規模のコンテンポラリーダンス祭典「横浜ダンスコレクションEX」が、2014年2/4-2/9にありましたが、その裏で川村さんが「1人」で開催した、国内最小のダンスフェスティバル「川村ダンスコレクションEX」!(非公認)。横浜ダンスコレクションに招待されなかったので、その対抗策との話もあり、ま、その顛末を綴った★ドキュメンタリー(?)★の様なものか。それにしても、何と破天荒な事かと思うが、川村さんの(あと先考えない)行動力もすごいな。
ダンスそれ自体を見たいなと思い探したら、「へびの心臓」があった。横浜ダンスコレクションEX2012で最優秀新人賞を受賞した時のもの。四角いスポットライトが、いくつか位置を変えて照らし出したスペースの中で踊る、ダンス用の音楽とは思えない選択(J-Popやお経等etc)、そしてキューピー人形と、トヨタコレオグラフィーアワード2014で見られたアイテムが既に揃っている。★映像は、23分と長い★ので適当に見て下さい。
他にも何かと探したら、日本女子体育大学在学中(舞踊学3年)の時の「現代文化論」講座でのダンス・パフォーマンスや、知り合いへのビデオレター「中富さんへ」。(バイト先のカフェでの撮影だろうか?)何となく、川村さんの雰囲気が出ていますね。
驚いたことに、歌もうたうそうで、CDも出しています。今年の8月に3枚目をリリース。毎年1枚、夏に出すらしい。面白いのは、セカンドアルバム「ラヴソング!」に収録された「かわむらみきこのうた」。笑ってしまう。
とにかく、目の前の目標に向って、まっしぐら、っていう感じ。川村さんのサイトには、この様な映像が載ってますので、興味のある方は、覗いてみては如何でしょうか。
今後も活躍を期待したいですね。

全部の映像をご覧になった方、長時間ご苦労様でした。

トヨタ コレオグラフィーアワード 2014

トヨタ コレオグラフィーアワード 2014【次代を担う振付家の発掘・育成を目的に】の最終審査会が、世田谷パブリックシアターで、8月3日(日)15:00~18:30に行われました。作品はすべて拝見したのですが、結果発表は、19:30過ぎの予定だそうで、帰りの新幹線に間に合いそうもなく、断念。ネットで確認したら・・・
  『次代を担う振付家賞』川村美紀子さん
  『オーディエンス賞』 川村美紀子さん
ダブル受賞だ。ま、実際に会場でそのパフォーマンスを見た人は、納得でしょう。拍手の鳴りが違いました。
toyota.jpg

この最終審査会は、203組の応募の中から選考会 を経て選出された6名のファイナリストが、振付作品を上演。審査委員による「次代を担う振付家賞」1名、観客投票による「オーディエンス賞」1名を決定するもの。ファイナリストは以下の方々。(上演順に振付者名と作品名)
  捩子 ぴじん(ネジ ピジン)「no title」
  スズキ 拓朗「〒〒〒〒〒〒〒〒〒〒」
  木村 玲奈 「どこかで生まれて、どこかで暮らす。」
  塚原 悠也 「訓練されていない素人のための振付けのコンセプト001/重さと動きについての習作」
  川村 美紀子「インナーマミー」
  乗松 薫  「膜」
各組(2名~10名位)約20分で作品を上演。ダンス評論家の亀田さんが言うように、「今注目のダンサーが一堂に会するので、かなり贅沢なダンス公演」でしたね。休憩含めて3時間半でしたが、あっという間でした。
どの作品もすばらしいのですが、やはりダントツは、川村美紀子です。
川村1

ダンスの原点、肉体とその動きを、ストレートに見せてくれたと思います。川村と3名の女性ダンサーが繰り広げるパワー溢れるその動きの衝撃波は、会場全ての観客のハートを大きく揺さぶった様です。
振付の内容を見ると、始まりはフラッシュライトにより、暗闇の中の踊るダンサーの姿がストップモーションの様に映し出され、その肢体の美しさを見せてくれます。この辺りは、今回の工夫と思われますが、他は、従来、川村がよく使う手法です。スポットライトに照らされた四角いスペースにダンサーが(ひとり)入って踊ります。曲はとてもダンスミュージックとは言えない、「地震予報速報」だとか「横断歩道のメロディ」「エレベーター案内」(他にもいろいろあったけど忘れた)等。これが、二人、三人と同時に踊るとミュージック(と言うか音ですね)も混線状態で何を言っているのかわからなくなるけれど、それがまた、ダンサーの激しい動きと相乗効果になり、圧倒的なパワーの衝撃波となって、観客を襲います。腕を振り、足を蹴り上げ、首を回して、腰をくねらし、突き出す。あまりのパワーに心地よささえ感じます。
時折、動きが、フッと止む瞬間があります。次のダイナミックな動きへ向けた”ため”。これらは、従来の川村の作品によく見られるものですが、今回はあまり小細工はせずに、シンプルな構成で、圧倒的なパワーを前面に押し出したと思われます。衣装も、白いブラジャーと黒いパンツ(ダンサー毎に若干デザインに違い:短→七分→ロング)と、シンプルです。(個人的には、こうゆうのすきですが)
終わりに近いところで、キューピー(人形)が出てきます。これも川村作品に時折登場するアイテムです。今回は、少々凝っていて、ラジコン仕掛けの台車に乗り、舞台の端から反対側まで移動します。それを見つめる川村。激しいダンスの合間の静寂。最後は、ダンサー4人が、中央にキューピーを挟んで横一列で踊ります。(笑)
事前予想では、塚原悠也と川村美紀子の一騎打ちと言われていましたが、川村のパワーあふれるストレートパンチが、タイミングよく決まった、のでしょう。今後の活躍が期待されますね。
(授賞式の様子など)
それにしても、川村さんの名古屋公演の話は、全く聞こえてこないですね。
唐津絵理さん(愛知県芸術劇場シニアプロデューサー)が、何とかしてくれないものでしょうか。

そうそう、それと塚原悠也(→コンタクトゴンゾ)。
塚原1
「訓練されていない素人の為の振付コンセプト001/重さと動きについての習作」
contact Gonzo:「コンタクト・インプロビゼーション」(体重のやりとりを行ないながら2人〜集団で動く即興=インプロヴィゼーションの形式) なんだけど、俗には、格闘技を思わせるパフォーマンスとか、殴り合う即興的な身体の接触etcの様に言われている。それは、ダンスなのか?とも言われるが、ま、パフォーマンスではある。しかし、今回は、「次代のダンスを対象とし、その振付家」の選考会なのだが、これまでのものに比べても殆ど動きが無い。
寝そべる人

出演者は4人。ひとりが舞台中央で寝そべる。顔から胸にかけてをTVカメラで写す。画像は、舞台後方のディスプレイに表示される。と、もうひとりが、ねている人の上に立つ。それだけでなく、リュックの中から本を取り出し抱える。益々重くなって、下にねている人は、思わず「グフッ」と苦しそうにもがく。それも気にせず、上に乗った人は、更に大量の本をリュックから出して、抱える。益々重くなり「グフッ」。近くにドラムが置いてあり、寝そべる人は、手元のボルトをドラム目がけて投げる。当たって、「ドン」と鳴る。
 舞台、-「暗転」-
舞台後方の段ボール小屋から人が出てきて、笛を鳴らす。頭には、赤いLEDランプの様なもの。インスタントカメラの様なもので、バシッとフラッシュを焚く。と、舞台が明るくなり、笛を吹く人は段ボール小屋にもどる。
中央では、再度、寝そべる人の上に人が立つ。・・・これを延々と繰り返す。
後半、塚原が大きな石をかかえて登場。それを人の上に置こうとする。「グフッ」たまらず、ボルトを投げて、ドラムが「ドン」
 舞台-「暗転」-
再度繰り返す。最後は、後方の段ボール小屋に、重なり合いながら入って行く。
コンタクトゴンゾの特徴は、そのパフォーマンスの「圧力」の様なものだ。殴り合いながら身体接触したり、寝そべる人の上に乗ったり。鑑賞者は、その行為に「圧力」を感じる。この圧力、支えるものが必要だ。だから、音が出る小道具を利用する。笛を吹いたり、ボルトを投げてドラムを鳴らしたり。圧力を受け止める事で、圧力を感じさせる。
舞台背景は、他のダンサーのものとは異なる。カーテンではなく、パイプで作った足場の様な構造物に照明装置が取り付けられている裏方をそのまま見せている。これも圧力を受け止める装置のひとつ。(あいちトリエンナーレでは、梅田哲也の段ボール・インスタレーションが、その役割を果たしていた)
とにかく、6組のファイナリストの中では、異彩を放つパフォーマンスである事は、間違いない。

6組の上演が終了後、帰ろうとしてロビーに向かったら、「訓練されていない素人の為の振付コンセプト001/重さと動きについての習作」 の仕様書が、配られていた。contact Gonzo official site でも掲示されているので、ご参照下さい。
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ゆでたまご

Author:ゆでたまご
鑑賞者の目で現代アートを探求

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