2014年ふり返り(1)杉浦光
杉浦光《動と静》YEBISU ART LABO (2014.12/4-12/27)
2014年にいろんな展示を拝見しましたが、その中で心に残りながらもまだブログにUpできていないものをあれこれ書いてみます。
12/14名古屋伏見にあるYEBISU ART LABOの杉浦光個展《動と静》(2014.12/4-12/27)に行きました。作品は7点。どれも全体に青っぽい色使いで、少し離れたところから見ると、泡が水面に広がっている様に見えます。大きな泡のまわりに小さな泡がまとわり付いている様で、特に何かの形を表しているわけでもなく、ただ泡どうしが集合体を作っている。その泡の輪郭が滲んでいる様に見えるので、どうなっているかと近づいてよく見ると、泡の形は、小さな点の並びで構成されていました。
(こちらの作品、離れて見ると水面上に泡が広がる感じ)

(近づいてよく見ると、泡の周りの点々が見えてきます)

(もうひとつの作品も、離れてみますと)

(これも近くで見ると点々・・・)

絵画全体に(離れて見れば)、水面に泡の塊が互いに纏わりながら無限に広がっているようで、ジャクソン・ポロックのオールオーバーな絵画を思い出しました。ポロックは、床に置いたカンバスの上(空中)から塗料を滴らせる「ドリッピング」や線を描く「ポーリング」と言った手法で描きました。杉浦さんの泡の形状も、「ドリッピング」の手法を(下書きで?)使って描いたのでしょうか。泡のまわりを囲む無数の小さな点は勿論、手でひとつひとつ描いた、と言うか筆で塗料を置いていったのでしょうね。
ポロックは、具体的な何かを描いたわけではないですが、時折、木々に生い茂る枝や地面に生えた草の重なりに似ていると言われる事があります(自然の造形を参考にしたかのように)。ただ、無造作に空中から塗料をまき散らしているわけでなく、(当然ではありますが)構図を考えながらドリッピング&ポーリングしたのでしょう。
杉浦さんも、(水面に浮かぶ泡の塊を思い浮かべたかどうかはわかりませんが)何らかのイメージをもって泡部分をドリッピングしたのかもしれません。
展示スペースには、杉浦さんの説明テキストが置いてありました。
自分のスタイル構築に参考としたのは、オプ・アートそしてミニマル・アートなのだそうです。オプ・アートからは、視覚的な動きを、ミニマル・アートからは、形態や色彩を最小限にする事を自分の作品に活かそうとしたのだと。
この考えを元に実際に作品制作をするにあたって、3つのルールを定めたそうです。
ルール1)「色を単色にする」
ルール2)「画面全体に幾何学模様をつくる」(オールオーバー)
ルール3)「模様の周囲に点描し規則的な構造にする」。
絵画制作に、「ルール」を持ち込むのは、奇妙な考えだと思う人も多いでしょうが、杉浦さんにとって、「ルール」は、絵作りの上では、ドローイングや下書き同様にアイディア出しと同じだと考えているそうです。
と、ここまで書いてみて、「フラクタル」を思い出しました。シンプルなルールを繰り返し使用し、その結果は複雑な形状に至る、自然の形状はその様に出来ている事が良くあるそうです。杉浦さんの作品作りに見られる「シンプルなルール」と結果としての「複雑な形状」が、それとよく似ているとの印象を受けました。
2014年にいろんな展示を拝見しましたが、その中で心に残りながらもまだブログにUpできていないものをあれこれ書いてみます。
12/14名古屋伏見にあるYEBISU ART LABOの杉浦光個展《動と静》(2014.12/4-12/27)に行きました。作品は7点。どれも全体に青っぽい色使いで、少し離れたところから見ると、泡が水面に広がっている様に見えます。大きな泡のまわりに小さな泡がまとわり付いている様で、特に何かの形を表しているわけでもなく、ただ泡どうしが集合体を作っている。その泡の輪郭が滲んでいる様に見えるので、どうなっているかと近づいてよく見ると、泡の形は、小さな点の並びで構成されていました。
(こちらの作品、離れて見ると水面上に泡が広がる感じ)

(近づいてよく見ると、泡の周りの点々が見えてきます)

(もうひとつの作品も、離れてみますと)

(これも近くで見ると点々・・・)

絵画全体に(離れて見れば)、水面に泡の塊が互いに纏わりながら無限に広がっているようで、ジャクソン・ポロックのオールオーバーな絵画を思い出しました。ポロックは、床に置いたカンバスの上(空中)から塗料を滴らせる「ドリッピング」や線を描く「ポーリング」と言った手法で描きました。杉浦さんの泡の形状も、「ドリッピング」の手法を(下書きで?)使って描いたのでしょうか。泡のまわりを囲む無数の小さな点は勿論、手でひとつひとつ描いた、と言うか筆で塗料を置いていったのでしょうね。
ポロックは、具体的な何かを描いたわけではないですが、時折、木々に生い茂る枝や地面に生えた草の重なりに似ていると言われる事があります(自然の造形を参考にしたかのように)。ただ、無造作に空中から塗料をまき散らしているわけでなく、(当然ではありますが)構図を考えながらドリッピング&ポーリングしたのでしょう。
杉浦さんも、(水面に浮かぶ泡の塊を思い浮かべたかどうかはわかりませんが)何らかのイメージをもって泡部分をドリッピングしたのかもしれません。
展示スペースには、杉浦さんの説明テキストが置いてありました。
自分のスタイル構築に参考としたのは、オプ・アートそしてミニマル・アートなのだそうです。オプ・アートからは、視覚的な動きを、ミニマル・アートからは、形態や色彩を最小限にする事を自分の作品に活かそうとしたのだと。
この考えを元に実際に作品制作をするにあたって、3つのルールを定めたそうです。
ルール1)「色を単色にする」
ルール2)「画面全体に幾何学模様をつくる」(オールオーバー)
ルール3)「模様の周囲に点描し規則的な構造にする」。
絵画制作に、「ルール」を持ち込むのは、奇妙な考えだと思う人も多いでしょうが、杉浦さんにとって、「ルール」は、絵作りの上では、ドローイングや下書き同様にアイディア出しと同じだと考えているそうです。
と、ここまで書いてみて、「フラクタル」を思い出しました。シンプルなルールを繰り返し使用し、その結果は複雑な形状に至る、自然の形状はその様に出来ている事が良くあるそうです。杉浦さんの作品作りに見られる「シンプルなルール」と結果としての「複雑な形状」が、それとよく似ているとの印象を受けました。
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