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増田恵助 個展 – playing –

増田恵助 個展 – playing –  S.Y.P Artist Space(東京都新宿区) 2015.3/20-29

高校1、2年だろうか。中学3年でもおかしくはない。華奢な体を紺色のつなぎの様な服でちょっとルーズに包む。背に明るい黄色を添えたデイパック。そこに鮮やかな赤や黄色の花。手首にはパステルカラーのブレスレット、腰にも一束の花を括り付ける。足を見ると、水色と濃いピンク、左右で異なる靴の色。目立つ色の組合せではあるけれど、“目立とう”と肩に力の入った着こなしではない。お気に入りの服とアイテム、耳には曲を奏でるイヤホンがあるのだろうか、好きなメロディも身に纏って、ふらりとお出かけ。
               《Music》
増田恵助Music400

 増田さんの個展に訪れるのは3年振りだ。
2012年4月の「half remembered dream」(ギャラリー芽楽/名古屋)で、初めて増田さんの作品を見た。《M.J》(女子高生らしい)が良かった。この絵《Music》を最初に見たのは、増田さんのWebサイトだったが、M.J=典型的な女子高生のイメージが浮かんできた。左右色違いの靴を履いていたり、デイパックに花を挿して歩いている女の子を、実際に、身近では見た事は無い。だが、「見たよ」と言われたら、そうだろうなと直ぐに納得してしまう、そんな既視感があるのだ。
 どんな時代にも(美)少女像があり、それはその時代の雰囲気を映し出す鏡のようにも思える。《Music》の少女も、現代日本の典型的な少女像(=女子高生)の姿を映している。義務教育が終わって、大人として扱われる迄の少しの間の踊り場に佇んでいる。昔であれば(昭和の始めとか)、学校を卒業したらすぐに、働きに出るか、そうでなければ結婚も珍しい事ではなかったのだから(「姉やは十五で嫁に行き」とか)。
 そう考えると、景気回復がいまいちと言われる現代日本ではあるが、この様な女子高生の生存が可能な程の豊かさはまだ持ち合わせているらしい。羨ましい程の自由で気ままな毎日なのだが、その華奢な体を見ていると、ちょっと危うさも感じてしまう。

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描き方は、2012年と比べて少々変わって来ている。以前は、こんな感じだったが、
増田恵助2012

最近はこんな感じが多い。
増田2015縮小400
増田さんに聞いてみたら、「美人画の作家ではない」ので「そういう人が描く服装やポーズ」にならない様にしているそうだ。モデルさんはいるが、そのまま忠実に描いているわけではなく、ポーズもいろいろトライしてよさそうなのを選んでいる。たまたま近くにあった枝をもってみるとか。
 最近の作品では、この様なものがある。色違いの靴下、顔にペイント、幾何学模様のTシャツ、更に枝を持たせて。成立するかどうか際どいところだ。
顔ペイント400
顔のペイントは、デビッドボウィ(の映像、昔のCDジャケット?)をヒントにしたのだそうだ。
 「あ、いいなって思って」
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(こんなのかな?)
いろんな所から、服装やポーズのヒントを探しながら、構成を練っている。その中には、街で見かける女子高生のも含まれるのだろう。
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増田恵助さん。
この写真を見ていたら、増田さんの表情が、絵の女性の表情に似ている様に思えてきた。
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木村充伯展「Above the horizon」

6月7日(土)、ケンジタキ・ギャラリーで木村充伯展「Above the horizon」(2014.6/7-7/19)を見てきた。
木村さんの作品は、ユーモアと奇妙な雰囲気、それとちょっとした驚きも感じさせてくれる。
昨年拝見した木村さんの作品は、油絵具の塑像(油絵具をてんこ盛りにした立体)だったが、今回は木彫だ。ギャラリー入り口を入ってすぐ作品が見える。
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立木の枝に、白い小鳥が何羽も止まっている構図だが、何やらおかしい。鳥は足で枝にとまっているのではなく、頭を枝のなかに突っ込んでいる。タイトルは、《鳥の死角》。
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鳥は非常に視野の広い目を持つと言われていますが、これでは「死角」どころか全く見えないですね。これが猿なら「見ざる(言わざる聞かざる)」で、都合の悪い事は(頭を穴に突っ込んで)見ない事にするとか。しかし、最近の調査として、鳥が大きな構造物と結構、衝突事故を起こすとも聞いている。ビル、送電線、風力発電の風車etc。報告では、鳥は地上の目標物を注視しているが、前方が案外疎かになっているとか。《鳥の死角》の奇妙な風景を見ていると、いろいろ想像してしまう。このあたりが、木村作品の面白いところか。そこにあるものが、何であるかはすぐわかるが、“なぜ?”と考えてしまう。

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1F中央には、ラッコが2頭横たわっている。樟(くすのき)からの削り出しで(+油彩)、表面のささくれが、ラッコの体毛の感じを出している。表情も何かを食べようとする仕草も愛らしい。が、それにしても、デカい!(トドじゃないんだから)

壁には、後ろを向いて張り付く《猿の群れ》。
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7頭の猿の後ろ半分が、壁に張り付いている。顔も見えないし、手足も尻尾も見えない。後頭部から背中にかけての毛並と、特にふたつに割れたおしりが、間違いなく猿だと思わせる。類人猿共通の(外形上の)特徴はこのおしりか?などと考えてしまう。

2F展示室に行くと、先ず大きな熊が目に入る。正面を向いてデンと座っている。
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後ろに回って見ると、背中が無くてがらんどうの内部が見える。(制作途中、ではないと思うが・・・)
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張子の虎ならぬ、張子の熊ではないと思うが。その傍には、コンクリートでできた犬《犬の向き》がある。
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質感からは、小さいがそれなりの重さも感じる。大きな熊との対比で配置なのか。

壁には、熊を取り囲む様に、ドローイングが並べられている。
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白い紙の中央には、小さく人や動物やいろんなものが描かれている。
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顔を近づけて見ないと何が描いてあるかわからない程だ。大きな熊のまわりの小さなドローイング。
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木村さんの作品を初めて見たのは、2013年のアーツチャレンジ(愛知県美術館で開催)で、油絵具の塑像だった。その時は、絵具の塊を作品にするのかと、その発想とユーモラスな表現に気を引かれた。見た目のわかりやすさの反面、ちょっと引っかかって、何だろうと考えてしまうのは、作者の意図だろうか。

鋤柄ふくみ 個展

5月24日(土)、岡崎のMasayoshiSizukiGalleryで、鋤柄ふくみ展「生活」を拝見した。(開催5/24-6/23)
鋤柄(すきがら)さんは、2010年に白土舎で個展「はだか」を開催したが、それ以来の個展だ。ギャラリー1F展示室には、壁に絵画作品、中央展示台に立体作品が置かれていて、制作は、2011年から2014年のものだった。
◇1F展示風景
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鋤柄さんの作品をどう受け止めればよいのだろうか。始めて見た人は「暗い」印象を持ってしまうのだろうけど(確かに“暗い“感じだが)、インパクトは強いし、じっと見ていると何やら謎めいたものが浮き上がってくる。この日は、18:00からのオープニングパーティに合わせ、鋤柄さんも在廊だったので、話を聞いてみた。

《オオカミ男と自画像》
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-左側にいるのは、なんでしょうか?
「オオカミ男です。ちょっと・・・、あぶない森ですね。」
-右側の女性は?
「これは自画像を描こうと思って描き始めた絵です。それ以外はあまり考えずに描き始めて、そこから、描いている間にどういう場所にしようとか考えて、(森の中とかが)出来ていったですね。」
(※注:絵をよく見ると、この女性の顔は、確かに鋤柄さんだ。)
-それでどうしてオオカミ男が出てきたんでしょうね。
「そうですね、いけないですね。」
-いつ頃描かれたものでしょうか。
「2012年から・・・、2013年に終わったですね。下手をすると1年くらいかかることも。いろいろ小さいのも描きつつ・・・」

《T公園・パノラマ》
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-(「T公園」だが)森の中みたいですね。
「近くのよく散歩をしていた森みたいな公園のイメージで。それを描こうというのと、てくてく歩ける様に描こうと。真ん中には池があったので、それも描こうと。森を全部まとめて、盛り込んだんです。」
(・・・洒落も言うんだ)
-登場人物が多いですね。
「これすごく多かったです。そうですね、これはなんか描くときは、ここもここもここもここもここもここも歩ける感じにしよう、みたいな。こっちにいる目から描こうとか。ま、そんなに上手くいかなかったですけど。だからいろんな所に視線が・・・、って言うかいろんな所にいる感じに・・・したんです。」
-上に赤い人魂みたいな線が・・・
「あー、あれはわからないです。最後にそれを描いたら、『できた!』って思った。この絵が出来たと。意味と言うよりは、でも何か上にないと・・・、なんですかね・・・。(絵の下側)この辺見ながら、こうやって(手だけ上にあげて)描いたんです。そして、できたーって思って。」
-何かをテーマに描くと言うよりは、身近なものをモチーフにして・・みたいな。
「そうですね・・・、そうですね、何かを言おうとかよりは、私は、ここで何が起きるかな、みたいな。なんかもうちょっと小さな、近い位置で描いてるかもしれない。何かその、小さい範囲で自分的にこう、何か、ドキドキする事があるんですけれど。」

《顔のほらあな》
※チラシの写真は、この立体作品のドローイング。
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-人の顔に見えましたが、いろいろ張り付けてありますね。
「そうですね。ここに私がはまりたい。(お面を付けるような仕草で)そうすると、3人。(お面の中に小さな人の絵が貼り付けてある)私ともう1人ともうひとり、3人になるぞって。(自分のまわりが見える)小さなほらあなです。セルフサイズの小さいほらあなです。」

《美容室 『N』》
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-部屋の中に鏡のある、美容院みたいなところの。人が何人もいて。
「ハイ、行き付けの美容院です。」
-あんな風に鏡を配置されると、何かあるのかな・・と
「ま、こう言う風に、鏡が空間の真ん中に立っている美容院なんです。すごい変な。これは、(描くとき)先に場所を決めようかな、と。場所の中で何か起きるかな、みたいな。」

名古屋市美の学芸員さんも来廊されました。
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「ここのところ、破れた感じで。」「アルミ箔で作ったんです。」

《アトリエの亡霊》 と 鋤柄さん
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「これは、(中央にある)リンゴを描こうと思ったんです。」

<地下のインスタレーション>
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-いろんな雑誌などを切り取って貼り付けたような。どんな雑誌でしょうか。
「そうですね。ハイ。あれはエルです。外人さんが沢山載っている雑誌。なんかいろいろ試してみるんですけど、やっぱりファッション雑誌がいちばん、楽しいって言うか、盛り上がるっていう。」
-インスタレーションものはいつ頃から?
「コラージュを・・・、(1Fにも展示している)雑誌に絵を描くのをやっていて、その雑誌を使ってコラージュみたいなのをして、そのコラージュがだんだん立体になってきたって言う感じですかね。」

鋤柄さんの手書きのリーフレットもあった。
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◇1F展示(?)
「アトリエの小さなもの」
絵のかたわらで何か作ろうとして、まだ終わらないうちに、この先は、まだ分からない、と、手を止めたままのもの、切り刻まれた何かのかけら。時々、気に入ったものを気に入ったように並べてみる。この先また、手を加えて何かに成るのかもしれないし、もう終わっているのかもしれないような、もの。
◇地下
「奥絵(おくえ)」
絵に向かうとき、絵の具と筆を手にして画面の奥へもぐって行くのだ、と思うときがある。てさぐりで形に触れながら絵の奥に、もぐっていく。手さぐりで絵に触れているとき、私は私の体にさわっているようだ、とも思う。

作品の印象というかインパクトみたいなものを考えていて、思い浮かんだのが、坂本夏子さんの作品だ。気になったので、ネットで調べて見たら、御二人とも愛知県立芸術大学の設楽研究室の修了生との事。似ているという事でなく、影響する事があるのだろうか。それから、2013年1月の「であ、しゅとぅるむ」展(ファン・デ・ナゴヤ美術展)でも、「鋤柄ふくみ+坂本夏子」の名前で展示していましたね。


※今回の個展とは関係ないですが。
鋤柄さんと話をしていて、以前どこかで見かけた様な気がした。と、そこへ、以前、D.D.のワークショップで一緒になった野々村麻里さんが来た。聞けば、鋤柄さんもD.D.ワークショップでの作品作りに参加していたのだと言う。調べて見たら、確かに、D.D.(今村哲+染谷亜里可)が、2013年、岡崎市美術博物館の「ユーモアと飛躍」展に先立ち、5月にロビーで「2つで3人」作品の48時間滞在バージョンを行っていたが、その時に会っていた。
鋤柄さんが、昼食後の後片付けをしている。
(後ろのメガネの男女が、D.D.のふたり)
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美術館ロビーにこの様な可変の部屋を作って、2日間生活したのですね。
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ご苦労様でした。

往生写集アラ-キ-トーク

2014年4月26日(土)14:00 豊田市美術館で荒木経惟氏の個展「往生写集」の荒木氏本人によるトーク(作品説明)がありました。テレビで見ているのと同じ口調でのトークがとても面白く、作者自身の写真に対する考えもうかがえてとても良かった。今回は、そのトークの雰囲気を出来るだけそのまま伝えた方がよいと思い、録音したものを出来るだけそのまま文字起こしする事にしました。不鮮明な部分はカットしましたが、それでもかなり長くなってしまいました。

当日の午後2時からトーク開始で予定は30分。1時頃豊田市美術館に着いたら、既に、ちかげさんが来ていて「整理件配布があると思って、朝10時から来たけど、なかった」なんと熱心なファンだこと。集合場所のロビーにも人がぎっしり。放送局の取材班も複数いて、ごった返し。
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※開始時は、上の写真の3~4倍の人(100人くらい)になっていた。
展示は、二つの章に分かれていて、1階は「Ⅰ章 顔・空景」、2階は「Ⅱ章 道」となっている。
◇午後2時、学芸員の方の説明「荒木氏はあまり体調良くないので、作品前の説明は30分、質問なし」だが、現れた荒木経惟氏ことアラーキー(こっちの方がぴったり)は、元気そうに大きな声で話始めた。
<1階「Ⅰ章 顔・空景」>
■「さっちんとマー坊」
荒木経惟)(展示は)美術館に全部やってもらった。私何にもやってない。(学芸員「荒木さんのデビュー作を展示してます」) いいね!
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大概写真始めるときにね、写真撮りたいって言うのはね、自分自身を撮りたい。コレ近所の昔の下町の子で、少年達と出会って、その頃撮った。写真ていうのはずーっと追っかけるわけ、古いアパート、そこに通って撮った。で、彼があたし。このころリアリズムが流行っていた、映画で。どうしてもドキュメンタリー、あ、リアリズム。
ちょっと言っとくけど、写真てリアリズムでないと思う、ちゃんと映ってないから。化けてたり、人が写ってなかったりとか、・・・そう、事件が写ってないとリアリズムじゃないと思ってるけど、そうじゃない。人が写ってないほうがと言うわけでないけど、写真を撮るときじゃなくて自分がその時曖昧にシャッターを押して撮った写真を見たときにリアリズムを感じる。感じさせられる。
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それが今回の写真展のズーッと、往生だからね、終わりだから。ズーっと二十歳から撮りだして、ま、かなりの齢だけどサ、それを見返して思ったことをいちばんこの今回の写真展でね、そのリアリズムとはこれだ!ていう、それから写真のリアリズムはこういう事だ!というより人生のリアリズムはこうだていうことをさ、悟りに近い境地に入ってきたんだ。だからこの往生、一回まわったら怖いかもしれないね。あんまりだからよく見ないように。
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■銀座/スクラップブック/荒木経惟写真帖
※注:会場の写真は、トークの前に撮影(観客は写っていません)
荒木)いいね! いいじゃん。
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こういうのはね、デジタルじゃ写んないよ。もうフィルムの時代は終わったんだ。写真の時代が終わったんじゃないんだよ。フィルムがなくなるから。フィルムって言うのはさ、何か自分の気持ちのね、鏡だったり窓だったり、薄いひとつの膜、皮膚の感じするけど、デジタルには皮膚がない。ないだろ!ね。(観客の人「ないです」) ないって、ハハハ! 後でみんなゆっくり見てね。 ・・・・ すごくいい。
この写真はね、あれなの丁度ね、あんまり言いたくないんだけどさ、運送会社じゃないけど、電通ってところに勤めてたんだ。つまんないから、広告つまんない。そんで、電通ってとこに入った時、おふくろがね、「お前、なんで運転出来ないのに運送会社に入ったの」って言われたね。その頃、トラックって「マル通」ってドンドン走っていたから、間違えられて、言われた事ある。 で、さっきいった様に、例えば、その時の事とか、何か浮かんでくるんだよ。言葉が出てくるとかさ。だから写真てそういうリアリズム、リアルなところをもって。だから見る時に、ドンドンどんとんリアルなその時が、だから写真て言うのは、形とか空間とか言うものでなくて、そういう時と付き合っている。時を撮る。だからその時の事が、ばっ-と甦る。それが写真の一番、今回確信を持ったね。ま、実を言うと最初から判っていたんだけどね、ハハハハ・・。
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これはね、電通でね、広告やってもつまんないからね、「冷蔵庫撮れ」とかつまんない事言うから、サボって、銀座を(PM)2、3時頃ね、銀座におめかしして、女の人が出てくるんだ、それを撮ったの。で、その頃、電通(内)にゼロックスが出てきて、だから、新時代に付き合ってんだよな。みんながデジタル時代に付き合っているのと同じ様に。
ゼロックスって今もあるのかな?ファックスだね。これ会社の使って自分でドンドン苦心して作って(=Copyして)。で、70年だからこれは、だから70冊、ね、というそういうこと。で、あらためて遅れてきた、安保、自分だけの安保反対をやった。
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いいね!
近所に月光荘って画材屋があって、そこでのスケッチブック、これがあったんですよ。歩いてんですよ、顔、太郎冠者次郎冠者、お面をつけてこれをかぶってあるいている。これいいね。
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で、こういうのね、こういう写真ね、この子に何か自分の好きなお面作ってみたらと言って、作ってもらってそれを、その子がお面をしてもらっている。それを撮ったの。だから表現と言うのは、被写体がしている様にしたかったし、最初っからそうなんだよ。みてくれ、これコレ!
ね、撮る人手前だ撮られる人は・・・。ところが、表現しようと思わないでも表現しているんだよ、このては。それを複写するだけなんだよ。それをこの何十年もやってきたんだ。だから表現と言う言葉を使っちゃいけない。被写体が、表現者だ、ん。
だからその奴隷たちはね、よりいいカメラを持てばよりいい写真をとる。だから金の問題だね。ハハハ・・。コンタって言うのはカメラの名前、蛇腹の持ってる、6×6の。親父がくれたカメラなんだよ。だからその時の余計な事まで思い出させる要素があるね、写真て言うのは。だから写っている事だけでなくて・・・・・・・・・。

■地下鉄’72
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荒木)これが一番いいね。(※電車の中の乗客の写真で・・)
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これが、前に座ってね、大概その頃の人はね、寄るだろう、そうするときょろきょろ見たりするわけだ。一息つくと自分の持ってきた新聞も見飽きちゃうし、3駅目くらいで無我の境地に入る、個人に入るわけだ、自分自身に。その時に目の前でさ、撮っちゃうんだけど、今で言う隠し撮りだね。狡いんだけど、何でもないでしょ、向こうも、今言ったでしょ、「表現して」いるんだから、ただ複写するだけ。でも、スムーズに表現する人がいるんだ。真っ赤なマニキュア塗って鼻くそほじくる奥さんがいるわけ。そうするとね、撮り方って言うのはね、駅にね、がっがーんと止まる時その時に合わせてシャッターを切るとわかんない。停車の音に合わせるとか。でも、そうすっとね、昔からあれだけど、やな中年男って言うのが隣に座っているだろ。その時、「撮られてますよ」と教えちゃうわけ。そうすると私等は、引っ張られていっちゃうわけ。で、次の駅で、池袋の駅で降りて、交番まで連れて行かれて、ね。その時はまたこっちもね、テクニシャンだから、その間にフィルムを入れ替えてやんだよね。で、交番に行って、返って来たんだけど。ま、そのくらいのズルはやっていたんだけど。で、その時に、おまわりが、私の写真道を言った、「何で君は事件も起きないのに、写真を撮るんだ」正論を付いてきたね。お巡りはえらい。だから写真はホラ、とにかくね、あのだからと言って福島に行かないんじゃないけど。もうね、毎日が事件と言えば事件なんだよ、そっちの方が、日常が、その頃から、すごい人生の大事件だというのを感じてたわけよ。だから、簡単にシャッターを押してたんだね。は、火事だーって言えば、パーってさ。小さい頃はね、火事だーって言えばね、親父が火事好きだったから、「行くぞー、のぶ!」、のぶって言われてたんだよ。「のぶ、行くぞー!」って言うと、火事だね。それから、「屋根に上るぞー」って言うと、花火。で、花火を、屋根の上で親父と並んでさ、花火をスイカ食いながら見てたって言うそういう事もある。ま、いいや。
大体、この時代、‘70年頃かファッション写真(?)が流行ったりして、そんなもの写真じゃないとか言う気持ちの時あったんだよね。写真と言うのは、何か自分の、事件って言ったけど、何か大切な事件の時・・・。

■センチメンタルな旅
荒木)これは、結婚式の時で、「センチメンタルな旅」。新婚旅行の時の写真なんだよ。ただ撮った日(順)に並べているんだ。写真もね撮ったのを合成してね、がーって作家になりたがっている才能のないデザイナーって言うのいるだろ。ああゆうのに任せるととんでもない事になるから。任せないように。ただ撮った順に見ればいい、見せれば良い。
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大体その頃は、やっぱりね他人の新婚旅行を写真集にしてくれる出版社なんて無いじゃない。でも、これは、この事が写真だ!って、思えてたのね、この時は。その時に、その頃、東京は、やっぱり豊田みたいな田舎でなくて、ちゃんとした(ハハハ)、似たようなもんだけどね、紀伊国屋って本屋があって、中二階くらいに、自分の下らないさ、「この国は燃えている、青い炎だ」なんて言う下らない詩を書いて売っている奴がいっぱいいた。そういう詩集を「置いて下さい」と言うと、置かせてくれたところが、スペースがあった。で、そこに、でどうだって自分で自費出版して、説明なんかも作って、持っていた。置かしてくれって。
そしたらね大将も優秀だけど、弟さんも、のん兵衛だけど感が良かったから、そしたら、これはすごくいいから何か書かないかって言って、で書かされたの。写真だけが一番の言葉だって言ってたんだけどさ、もっと伝わる。言葉の方がもっと伝わる。ほんとにね、いま思うけど、まー写真よりね言葉の方が伝わるな。(ハハハハ・・)
そうなんだよ、曖昧なんだよ写真て。こんなに好きな気持ちで君を撮ったのにって言っても、曖昧だろ!な、言葉とか文字とか。その時に書いたの。で、ちゃんとした事書こうとするとさ、ちょっと照れちゃうじゃない。だから左手で書いたんだよ。うん、ね。そうすっとね、よりいいね。
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■冬の旅
※妻が入院・手術、その後亡くなる前後まで。
荒木)そうなんだよ、彼女死んでね、あ、入院してからずっと、まー生きているというと変だけどさ、私は旅だと思っているから、ね写真で。でね、この写真はね、入院しててこれから手術に。
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ま、あ、余計な事言ったんだよね。子宮筋腫だとか何とか、「至急禁酒」すれば治るなんで冗談言ってたんだけど。丁度これからちょっとして手術に行く、この部屋から出た、後、そん時ね、今でも思っているんだけど、そん時に手術室まで一緒に付いて行ってあげればよかったな、つうのが一番悔やんでいるところだね。そんで彼女が出て行った後、ひとりで病室で、病室からの空をね、だから私の空って言うのはね、もしかしたらこのあたりから始まっているのかもしれない。こっからっていうしっかりした意味でないけど、なんかそんな様なね。だから、今、空撮っても、何かこうね、死の空なんだよね。
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今回もなんとなく死神がそこいらにいそうな気がすんだ。ア!いた。太ってるあの死神。(←学芸員)ハハハ・・・
これ、だから入院してずっと通ってんの。これは名作だね、このあたりね。これ、こぶしの花の蕾の頃に、危篤と聞いて、病院の早道の階段が有るというのでそこを登って行く時、さすが写真家だから、余裕がある。ね、この辺に日付が入るぞとわかっている。やだね、写真家っていうのはね。
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それで、この辺で、最後の握手だね。不思議なことにね、もうアウトかというのに、握ったらね握り返してきたけどね。もう、すぐその後、死んじゃったけどね。
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<Caption>
「本当にお世話になっています。
 あなたのやさしさが胸にしみわたるほどありがたくて、
 それを支えにしてこれからの治療も
 がんばっていけそうです。

 でも、こういうことになって、
 改めてあなたの素晴らしさを認識するなんて、
 おかしいものですね。

 人間はこういう状況にならないと
 物事が見えてこないのかもしれないな、
 などと思いました。
 今は、あなたが顔を見せてくれるだけでとても嬉しい。
 どうか体に気をつけてね、私もがんばりますから!
 
 荒木陽子」

その時に、こぶしの、ね、蕾。蕾のこぶしが、丁度死んだときに開いた。咲いたんだよ。だからここでまたさ、このー、私が花をずっと撮り続けているのは、もしかしたらこれにも関わっているんではないかと、思ってる。こうやってまとめて見るとね。で、実際そうなんだよね。いま、やってっけど、いま撮ってっけどね、この後今年の終わり頃、東京で資生堂ギャラリーでやる、その花って言うのはやっぱりね、花が写っているとどうしてもね、パラダイスなんだけど、どうも死のにおいがする。あの世はね、モノクロームなんだよ。色はないよ。ね、お父さん、あ、行って来た?向こう行って返って来た人いますから。あの世は色がないと。(「そうですね」と答える観客。)ハハハハ
これ不思議だよね、チロちゃん、これ彼女の大きいいとこの骨、それがチロちゃんの顔に似てんだよね。だから一緒に撮ってんだよ、不思議だよね。
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これチロちゃんの・・・。ね、そ。何でいい写真だか・・、いいよな。彼女が死んで、私が、思ったわけでないけど、あんまり外出ないで、ま、行ってる日もあるけど、出ないで部屋にいたら、パーッと外に、このバルコニーね、に飛び出て行って跳ねてくれたわけだよ。いいじゃんね。

■空撮
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荒木)彼女がさ、西の空って、日本固有の・・・、どうしても西の空ね、こうなんだよ。
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そんで、さっき資生堂ギャラリーで今年の終わり頃やるって言ったけど、この頃、西の空を撮っていたわけ。
西の空、あの世、でも今撮っているのは、世田谷の豪徳寺のとこで引っ越して、これ(※注:豪徳寺のマンション)壊したから、すぐ近くの梅ヶ丘ってとこに行って、そっから今撮ってんのがね、東の空。丁度、福島のあれとおんなじ時期に、うちのマンションも壊れて、二人、女房もチロも死んで、そっから去って、引っ越して今、梅ヶ丘っていうとこに住んでんだけど、そっからね、先ずね東の空を撮ってんだよ。要するに、復活だよね。ん、だから最初に太陽が上がってくる。だからね、だれか身近な愛しい人が、消えていくと生に向かう力がね、出てくるんだな。それは、向こうから付けてくれるわけだよ。空とかまわりとかね。だから、今は空だね。その東の空っていうのはね、資生堂ギャラリーでやるからね。ちゃんと此処にいる人は、来るからね。それ見て下さい。すごくねーやっぱりねー、ReBornとかこれから新しい世界が始まると言うのは、単純な空なんだね。そんな涙もんじゃなくてね、でもこう、血湧き・・ん、湧かせてくれる。それが続いてるんだよ。
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<※Captionから>
「妻の一周忌に空の写真を飾ろうと考えた荒木が、
 白黒の陰影だけでは「あまりにも寂しすぎる」と
 考えて、「パッと血を通わせる」ために水彩を
 施した」作品
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■東京は、秋
荒木)そうそうこれもね。これはですね、いやー名作だらけだね。ハハハハ
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これはね、さっき言った運送会社辞めて、それで退職金でペンタックスの6×7って言うの買って、三脚付けて、ま、アッジェだね。アッジェの街を歩き回って撮っていたやつ。
(※注:「アッジェする」とは・・・「都市の風景を撮る」の様な意味。写真家が用いる表現。フランス人の写真家、ユージェーヌ・アッジェ(1856-1927)が、(19世紀末から20世紀初頭)パリの街をくまなく歩き回り、都市の記録としての写真を撮った事に由来する。)
それが、これが良んだねーこれがね。ただ、ぱーんとね。特に今ちょっとね、ダブっちゃってさ、目がめっかちになったりとかさ、いろんな病が来ちゃってあれだけど、そうねー入院なんかして、ちょっと足がなるいんだけど。今、三脚に6×7・・付けて歩きたい気分がすごく出てるんだよ。そりゃあね、やっぱり東の空を撮ってっから。これね、ちゃんと要するにその、その時と対峙してるんだね。三脚立てて。その時の街の肖像を撮ってんだ、だから良いんだよ。

■裔像/富山の女性/男の顔面
荒木)いいね、ハハハ。実を言うと、私今日初めて見るから。わかるこれね。血が濃い人たちの肖像だね。
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で、あれは、0歳から100歳までの撮ってるからね。(※注:富山の女性)ま、顔だね。ハハハハ。
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これは、顔じゃありません「顔面」。男は「顔面」。ね、お面なんだよ、男は。一生。面つけてんだからな。
いーねえー。
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<Caption>
「毎日毎日一生懸命働いて、日本を豊かなものにしたのに、
 彼ら一人一人が持つドラマにスポットがあてられることはない。
 だったら私が、私の写真で、彼らの物語を紡いてあげよう
 ではないか。1月の厳寒の中、新宿副都心、丸の内の街頭に、
 ライカとともに立った。」
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これが良いんだな、一番。ちょーどだな。や、いいね。顔面が、いいよね。

■Aノ楽園/Aの愛人
荒木)こんなのあったかな。良すぎるね、ハハ。
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お、こういうのも、内緒にしてたのに。これは、過去のね、時の女です。(客「多いですね」)
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■愛のバルコニー(陽子)/Aノ楽園(チロ)
荒木)これはね、私がさっき言ったバルコニーね。豪徳寺のバルコニー。
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ここでだから、ぱーっと。・・・まだここタイトルになってないの・・・
これがとんどんどんどん消えていくって言うのを新潟でやります。ね、続きはね。いいねー。チロちゃんも可愛かったんだなー。ねー、いいねー。これワニいーず(椅子?)。

<2階「Ⅱ 道」>
■道路
荒木)それで、やーこれはね、丁度あの辺りからだとね・・これはいいね。
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これがさっき話した、引っ越して・・屋上から撮った、屋上から空撮るでしょ、東の空。その下。だからこういうの3年撮ってんだよ。もうほら、3.11から引っ越したの。でね、来る日も来る日も、あのーま、さっきねあたしね、事件があるわけよ。まーね、こっちに梅ヶ丘って駅があんだよ。それをね、乗り損なったら遅刻するんだって、真っ赤なハイヒールのミスカートを駆けていく音、音までずっととっちゃって。そういう事がある。
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それはね、ずーっと見てると、ちょっとな、悟り開いちゃうからね。あまりね、よく見ない、サラッと。人生はこんなもんだとわかっちゃうから、あんまりはっきり見ないでいい。ハハハ。
・・・・・ちょっと上から見たいな、行っていいかないいよな。(階段踊り場で)おー、これはすごい。なかなかのもんだね。あるなー、みんな飽きちゃったよな。ハハハ。ありすぎだなー。ありすぎで、もう終わりだな。
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■チロ愛死
荒木)あーチロちゃんの、いいねー。こりゃね、これはいいなー。
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まーちょっとさ、ガッカリするけどさ全部やればさ。これが丁度死んだ時ね。
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そんで、その形で、出てったね。これほれ。でね、そういうのこー、ちょっとさ、やだけどね。でも、それを逆転するようにね、この辺りにね、これは病気していて、倒れていた。腎臓痛めて、倒れちゃって寝てんだけど、「立て!」って言って立たした。そしたら立ってくれた。
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そんで見つめあって、ほら、肖像。これ見てこれ。礼してるだろ、だからそういう事も、そういう写真撮ってあれば、こういう写真が出てきてもね、ん、慰めじゃないけど、良んだよ。やっぱ何んかのね、二人の関係っつうのか、すごく濃厚で強かったって言う感じがちゃんと見てるしなー。まだまだだね、死にそうだからって、彼女の写真集置いて撮ったとかさ。
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まあ、まだ境地に達してないな。そんなものいらん。ただ、こう目つぶるっつのはさあ、寝てる時より死んだとき目つぶった時、一番きれいだね。寝顔より死に顔の方が、閉じた目はきれいだ。ま、猫だったからな。なんかこう、往生風な事言い出すから、もやめよう。ね。写真、こういうのわかんない奴いるだろ。あ、わかるかチロちゃん見れば。そこでいつもおしっこしてたんだよ。ね、こうゆうの最初見るとさ、何か分かんないじゃない。でもね見てるうちに気づくから。
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だって、ね、お風呂場で、ここで水飲んでたと。それから向こうのね、これはね、こん中で選べったら私はこの4点選んだけど。この風呂場で、上って来るのを待っててくれる。ドア開けて、ね。いつもはね、こっちがね寝室、ベッドルーム。いつでも来れる様にドア開けて寝てるわけ。そうすと朝、起こしに来てくれる。こっからニャーって顔だして。それが毎日だった。それが今は無い。そういう写真なんだよ。
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あったものが無くなるというのは、すごく悲しい。・・だからそれさあ、あそこにおしっこして・・振り向いてやな顔したとか、そういう事思い出すんだよ。・・なの写真に写ってんかもしれない。この4点はね、そういうあれがある。なんかこうやって見てると出てきそうだね。ここにねあの顔があったらいいだろう。それが毎朝起こしに来るんだから。それがいま・・(観客「今別の動物とか」)、いない。案外ね、悲しい写真だからね。

■母子像
荒木)まだ、あんの!・・・・やっぱり女子高生がすごいね。豊田でもこんなのやろうかな。これね熊本の女性ですよね。熊本行った時に、こういうの撮りたいなって言ったらね、女性は、女はすごい。ぱっぱっぱって脱いじゃって、子供抱いて、その脇で脱いだ着物を亭主が持って、座って隣でいるんだよ。ハハハハ。やーいーよ。
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■東京夏物語
荒木)今でもね、車に乗って、車の窓から撮ってんの。今でもやってんだけど2005年になって。いーねこれは!やっぱり。
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(窓の外の景色を見て)や、いーなー。じゃちょっと筆を、ここに富士山描くから、マジックを。ハハハハ。車の窓からね、すごくいいのよ。ちゃーんと位置がちょっとこっちだし。ちょーどいいの。んー、この窓いいね。
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■遺作 空2
荒木)これねー、もー遺作なんだよね。5年前に癌になって、よしそんじゃ遺作作っておこうと思って、やったやつだね。それから、5年生き残ったから。しょうがないね往生で。往生しないからね、まだね。100までは無理だね。いいじゃん!
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■センチメンタルな京都の夜
荒木)へー、いいね。・・・・・・・・・・・・・ 実はね彼女とね結婚後かな、京都旅行したの。夜撮ったの。
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で、このフィルム表現とか何とかじゃなくてね、これネガでね。フィルムって言うのはさ、ネガからプリントするじゃない。ネガとポジで。実はネガもポジも、そうなんだ。一過程でないんだ。そこで含まれているんだ、いろんな事が。そういう様な感じだからポジですよ。ネガ表現とかさ、そういう様なね、テクニックを使ったわけでない。いいね。どこ行っても芸者の人撮っちゃうんだなー。こういう絵が好きなんだよねー。ハハハハ。
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■8月
荒木)うん、いい。
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(※注:「こんなに歩いたの久しぶり」と言って腰かけるアラーキー)
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でね、これ何で、こんなのやってくれるって言うんで、何でこれ出てきたかって言うとね、この頃に・・・写真映像とかね、映像展かな、今ハラキネマって言ってんだけど、それの前身みたいな、その映画みたいに見せる方法のフィルムを作ったんだよね。上映する、それが出てきた。だからこれからドンドンそういうゴミが出てくるから、あーもう一回くらいやんないと終わんないな。んー、いいなー、面白いねー。・・その頃ほら、年代が出てるね。ちぃっちゃ、こういう様なテレビで、ホテルのテレビ、沖縄の復帰の時だから。ね。そんなテレビ。悪い癖でさ、若いとさ、正義っぽい事入れようかなとか思うんだよ。な、だろ!ハハハハ。
それだけしかやってないんだ。
あーこんなに歩いたから、もうまたやんなくちゃいけない。でね、そのやっぱ悪い癖っていうか、相手が表現してるとか言ってるくせに、こういう写真撮っちゃう。これはどうやってとったかと言うと、カメラのレンズをたたいて壊した。ぐちゃぐちゃになったそのレンズで撮った。だから途中で福島の原発とかなんとか、何で福島行かない・・・、行かないし、災害地何のかんの言ってっけど、自分が原発とか津波になっちゃう様な気分、なっちゃう。だからレンズで壊して被災地に、先にやった気が・・。東京の街を、津波に、原発がバーッと。それはね、レンズをね、壊すとさ、金と才能余っちゃってっからさ・・・、ハハハハ。
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いいね。いいじゃん。・・・・こんな事やってっから片目潰しちゃうんだ。いまね、あたしのね、こうゆうくらいね、右目が、血管が詰まっちゃって。
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■三千空
※ビデオインスタレーション(空の写真が次々と映し出される)
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荒木)今が大事だけど、今の時期に、絶対に空、これ連続的にやってんだけど、入りたくなるから。中、ずーっと見てるとほら。だから気をつけなくちゃいけない。この中に入りたくなる。ばーっと。誰か入る?裸になって。綺麗だぞー。着てるとだめだね。ハハハハ。裸になると良い。ほらっ。あのふわーって空に入りたくなって、撮りたくなったりするじゃん。これずーっといるとね。これ30分くらいやっているんじゃやないの。これ、いー。(学芸員「6時間半です」)6時間半。ちょっと長いね。(観客:ハハハハ)いーよね。6時間半か。

◆ツアー終了
荒木)(暗い映像室から出て)やっぱり何にも写ってない光がいいね。ハハハハ。
すごいね、今までで、一番大きいかな。(学芸員「これで終わります、拍手でお送り下さい」)
や、久しぶりに見せられたから、自分のをね、いいよ。
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◇随分と長い記事になってしまった。最初、学芸員は、30分の説明と言っていたが、結局50分になった。アラーキー様、ご苦労様でした。
「往生写集」展を見た帰り、他のお客様が「なんだかよくわからない・・・」と呟きながら帰って行くのを見て、このくらいの情報提供が必要なんだろうな、と思った次第。
振り返って、豊田市美術館の入り口を見ると、何だか巨大な墓標の様に感じた。
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Gallary+Cafe Blanka  葉栗 里 の彫刻

少し前になるが、Gallary+Cafa Blanka で 葉栗 里 の作品を見てきた。
(2012.10.10(水)ー19(金)他の作家5人と共に展示。)
http://www.blanka.co.jp/top.html

葉栗さんは、「翔(はばた)け!二十歳の記憶展」(2011年11月)でグランプリを受賞した
木彫の作家だ。
Blankaで展示を行うのは、2回目。
今年の3月の作品が、これ。

葉栗里フランカ400サイズ

逆さまになった少女が、”ふんわり”と海中に浮かぶ、浮遊感を漂わせる作品。
木彫のなめらかな肌が記憶に残っています。

葉栗さんの木彫り作品は、この"ふんわり”感がKey なのだが、今回はどんな
作品を見せてくれるのかと、Blankaを訪ねたら ・・・ 木彫ではない!
テラコッタだ。(素焼きの陶器)
 「 Coral Girl 」(サンゴ娘)

CoralGirl縦300

顔を上に向けた少女の上半身像のまわりに、トゲトゲの白い塊がいくつか配置
されている。床は、海底。白い棘状物は、サンゴ。岩なのか、または、サンゴ礁
にも見えるが、その穴の中から顔を出した娘は、ぼんやりと海面をながめている。
 (ポニョみたいだ・・・)
木彫の作品では、表面が良く磨かれていて、すべすべとした肌触りだったが、
このテラコッタの作品は、釉薬を塗っているわけでもなく、表面は素焼きそのまま
といった少々ザラザラした仕上げになっている。それが海底に横たわるサンゴを
連想させるのだが。
首から下、体の部分は薄茶色だけれど、素焼きそのままの色ではない。
テレコッサは、焼き上がった時点では、白色なのだそうだから、サンゴ礁(岩?)
のイメージに着色したのだろう。
髪は、黒と言うよりは、薄茶に碧が混じったような色で、海草のようだ。

この作品を含め、これまでの葉栗さんの作品には共通のテーマは、”浮遊感”。
サンゴ娘は、海底のサンゴの穴から顔を出し、ぼんやりと海面を眺めている。
しっかり見つめているわけではない。
そこにある現実のその先の、見えない向こう側を眺めている。

 「大人でもない子供でもない、高校生くらいかな。」(葉栗さん)

確かな未来が見渡せるわけでもなく、希望が持てずに落胆するわけでもなく、
明るい将来を楽観するわけでもない。浮遊感。
これは、現代の「少女像」のひとつだと思う。
プロフィール

ゆでたまご

Author:ゆでたまご
鑑賞者の目で現代アートを探求

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