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アーツチャレンジ2015見学ツアー(廣瀬菜々&永谷一馬

アーツチャレンジ2015(2015.2/17-3/1)見学ツアー(廣瀬菜々&永谷一馬
 愛知芸術文化センター館内13か所 (2/17(火)14:00~16:15)
※案内は、選考委員の信州大学人文学部准教授の金井直(かない ただし)氏。

◇廣瀬菜々&永谷一馬 《Still life》 磁気インスタレーション作品 12階アートスペースG南
 廣瀬菜々、永谷一馬です。2007年からドイツに滞在して、あちらの大学で昨年の9月に大学院を終えたところです。
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 この作品は、全長7mになるんですけども、作品の素材は磁器です。自分たちの日常とか家とかをテーマに、素材とか作品を選んでいるんですけど、この作品に関しては、普段自分たちの身の周りにあるものを、全て家の中にあるものとか食べてるもの生活の中にあるものを、全て石膏型で型取りして、で、そのひとつひとつを特別な磁器で、鋳込んで成形します。
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 普通の磁器だと焼いたらそのままコップはコップの形で焼き上がるんですけど、元あった形が焼成する事によって変形する事を目指して、ミックスを変えて、弱いというか熱に敏感な磁器にしています。焼く前は全てこう普通の形で。例えば、キャベツがあるんですけど、キャベツだと窯に入れる前は普通に丸い形ですけど、窯に入れて、もう一回ドアを開けたら、ペチャってなっている。
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 毎回、熱によっていろんな変化があって、私たちが一切コントロールできない形の変化と言うのが、丁度その熱エネルギーを通して作られるというものです。
 日々移り行く日常みたいなものをテーマに作りました。

-金井: 磁器、焼成する事で形が変わるという事、作り手が全てコントロール出来ない要素を入れるというのは、工芸の世界であれば表に立つ方法かもしれませんが、廣瀬さん永谷さんの仕事の中でそれを持ち込むというのは、プロセスそのものを大切にするというのか、これはこれで今日的なアートの意義付けが可能ではないかと思いました。あと、この空間ですね。光を落して作品の世界を作りあげてくれたわけで、我々の期待にストレートに答えてくれた美しい展示でありました。

<質問コーナー>
Q1)このフニャッとした形は、焼いている時になるのですか?
永谷A)蝋が溶ける様な、そういう動きで。
Q1)でも粘土なんでしょう?
永谷A)そうです、石ですね。今の状態は焼いた磁器なので石の状態なんですけど、その固さ、磁器って一番固い素材なんですけど、それのとおくの柔らかい形、ミックスみたいな形を目指しています。
Q1)焼く前は乾燥させて、カチッとして
永谷A)そうですカチッとしてますが、温度と共に柔らかくなります。
Q2)フニャッとした形を狙っていると?
廣瀬A)ひとつづつの形を狙っているというか、私達の制作の根本に、自分たちの日常っていうのが、何かのきっかけとか何かによって変化するという、例えばこの作品で言うと、そういう情景と言うのがひとつのテーマなんです。変化した日常と言うのがひとつのテーマとなっていて、例えばこの作品をひとつづつ展示するという方法を取らずに、情景として見せていきたいという事で今回この展示をさせていただいてます。

Q3)全部色がついてないですが、白に拘ったのでしょうか。
永谷A)そうですね、磁器の素材の色そのもので、着色せずこれで完成です。
-金井: そのあたり試みた事はおありですか?
永谷A)いろいろやってみたけど、そうすると最初に言っていた、日常の形が変わって行くという事からずれていく部分があって、着色はやめました。

-金井: 「日常の」というのは他にどんなものを作られたんですか。今回はテーブルの上のものが並んでいますけど。
廣瀬A)例えば、日常をテーマに、自分達の住んでいる家を今テーマにして。それは紙を素材に使っていたんですけど、365日、折り紙の様な感じで自分達の家を365個作ってそれを並べた作品であるとか。 あと鳥の巣をテーマに、巣立ちという感じで自分の家の横に木で鳥の巣を作った作品であるとか。
永谷A)そういう一作一作、素材とか仕上げとか、様々な(工夫の)作品を制作し続けています。今回、日本で初めて展示の機会を頂けたので大変ありがたいと思っています。

Q4)焼成の温度によって曲がり具合が変わると思いますが、そういうコントロールはしているんですか?
廣瀬A)いろんな焼成温度で試したんですけど、焼成温度だけでなく、調合であるとかいろんな事で変化は変わってきます。なのでその時の自分たちの中で一番綺麗だろうが・・・
永谷A)いろいろ試した中で、どんどん温度を上げていくと、最後はガラス玉みたいなのが残るんですね。元あったオブジェクトがわかる範囲の変化、ぐらいのところを狙っている、そのあたりを完成としています。全て溶け切ったガラスの水たまりみたいなものは、元が何だったかわからないのでそれは行き過ぎかなと。

Q5)二人の仕事に分担であるんですか。
廣瀬A)難しいですけど。作品によります。例えば私がアイディアを出して、その設計を彼がしたりとか。彼がアイディアを出して・・という感じで、その作品によって素材が全く違うんで、作品によりけりですね。とりあえず全ての作品が、二人の話し合いの中から生まれてコミュニケーションで作っていますね。

Q6)熱による変形なので、完全なコントロールは難しいと思いますが、打率はどの位でしょう。
永谷A)結構低いですね。半分くらいは(→結構高いですね!)・・・・、3割くらいですかね。

-金井: 入って来た時の印象は、精緻な感じですが、話を聞くと磁器ならではの熱とか、ものに込められた力とかがすごく溢れて来るのを実感できて、お話を聞くととても面白かったです。ひとつひとつ見ている時の印象とは違う全体の力も大切だと思いました。
 またドイツに戻られるんですか、日本でも展示はなさいますか。
廣瀬A)とりあえず又ドイツで頑張って、同時に日本でもこれからの展覧会の機会があれば、また頑張って応募したいと思っています。
-金井: これが貴重な第1回目、我々も嬉しく思います。ありがとうございました。
廣瀬・永谷)ありがとうございました。

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アーツチャレンジ2015見学ツアー(藤井龍

アーツチャレンジ2015(2015.2/17-3/1)見学ツアー(藤井龍
 愛知芸術文化センター館内13か所 (2/17(火)14:00~16:15)
※案内は、選考委員の信州大学人文学部准教授の金井直(かない ただし)氏。

◇藤井 龍 《Private Collection》 絵画&映像インスタレーション作品 12階アートスペースG北
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 始めまして、藤井龍(ふじい りょう)です。この作品は、友達の家や親戚の家のご実家に遊びに行った時に、そこに架かっている絵とか彫刻作品の感じが、非常に気になった事が、発想の原点になっています。何が気になったかというと、絵画・彫刻作品の置かれている状況の性質が、美術館やギャラリーである性質と全く異なるという事が気になって。で、その状況を集める事と、実際の作品をそこからこのギャラリーに持って来て展示する事となると、作品の所有者に作品についてのインタビューをおこなってそれも映像として残して展示する、という三つで1セットの作品を作りました。
 インタビューを通して、彼らもそれまで日常的には背景となっていた全く気にならない作品を、作品として意識しだすというのは、また面白くて。とても楽しく作りました。
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-金井: 三つの、3組と言いますか、普段家の中にある絵画・彫刻をミュージアムの中に持ち込んでみる、そしてその事に対して、持ち主の言葉を入れてみる。いくつかの仕掛けを重ねながら、展示についての展示、コレクションについてのコレクション、或はコレクションする事に対する愛とか、こう言った事に対して意識を開いてくれる作品かと思います。3組を選ばれた理由と言いますか、或は三つそれぞれどういう違いがあるのか。
藤井)全部で11人にインタビューしました。ここの空間的広さと、いろんなタイプの人を作品を集めたいと思ったので、その11人の中から3名、僕が独断で選びました。あと、この作品は、僕の青臭い問題である、結局美術って何なのかという問題にも接続していると思います。
-金井: 一番今回の会場の中では、展示室という作品が自明のものとして開かれていく、そういった場でどういった意味で展示と言うのがなされていくのか、あらためて捉えるそんな考えに満ちた作品と思います。この話の中で意外な話はなかったですか、映像として残せない様なとか。
藤井)ここで使ってない方ですが、蕎麦屋に飾ってあった絵をインタビューした時に、つい蕎麦屋の宣伝をされたのでびっくりして。いつかは展示したいと思ってますが。

<質問コーナー>
Q1)そもそも11名はどうやって探しのでしょうか。知り合いの範囲ですか。
藤井A)知合い伝手に声を掛けていただいて、知り合いの知合い、そのまた知合いくらいの方です。
Q2)11名から3名を選んだ基準みたいなものは何でしょうか。
藤井A)基準はいろいろあって難しいんですけど、今回の展示では3人とも違うタイプの作品だったり、おっしゃっている事だったり、
例えば息子さんの作品だったりとか。
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彼女の場合は、彼女の義理の母親が購入した絵だったりとか、
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彼も、結構この人はストーリーがあったんですけど、あの方は思い入れがあるのかないのかわからない、
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そういう全員違うタイプのを集めて展示してみたいと思ったので、この3人を選びました。
Q3)そこにある(飾っている)作品と言うより、それを持っている人の方に注目しているという事ですか。飾っている状況というか。
藤井A)一番最初に気になったのは、飾ってある状況です。美術館やギャラリーで飾られている作品を見るというのはかなり特殊な状況だと思うんで、全ての作品を均質な状況で見るというのは、逆に、そこにも興味があったし、又こういう家でかなりイレギュラーな形で展示されている、展示していると言っていいのかわからないけど、そういう事にもとても興味がありました。

-金井: 藤井さんは、こういった活動・制作をメインにされていたわけでないですよね。もっといろんな事をされてましたね。今回、ここに気持ちを向けた切っ掛けは?以前は彫刻も作られていましたね。
藤井A)最近は、作家の立場みたいな事をよく考えていて、自分の作品と作家という、ま彫刻とか絵画を作ったり描いたりすると、生産者としての作家ですよね。生産者としてではない作家のあり方は無いのかなという、ま考えの途中なんですけど。ま、そういう事を実践してみたかったのでこのプランをしました。

-金井: そういう実験の一端かもしれませんけども、こういう場所に開く事ができて、藤井さんにとってもとても良いチャレンジ・経験だったと思いますけど。この空間(アートスペースG)て、カーテンが空いてると日常的ですよね。閉じたミュージアムと言うより、日常とか社会とか、平均的な何かがすっと入って来るこの関係も、今回この空間で藤井さんに展示をお願いしようとした理由のひとつでありました。選考委員としてもこちら側の意図に、乗り越えるというかそれ以上の展開をして下さってありがたく思います。ありがとうございました。
藤井A)ありがとうございました。

*****************************************
<後日談>
たまたま長者町のアーティストグループ「AMR」のUstream映像を見ていたら、アーツチャレンジ2015の話をしていて、この作品が話題に取り上げられていた。上に写真を載せた「例えば息子さんの作品だったりとか」の女性は、AMRのメンバーのひとり浅井雅弘さんのお母さんだった。つまり、今回展示されているこの作品は、淺井さんの子供の時と予備校時代の作品という事。
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現美in豊川&アーチャ2015(坂本和也

現美in豊川&アーツチャレンジ2015(坂本和也
  現代美術in豊川(2015.1/17-2/22)
    &アーツチャレンジ2015(2015.2/17-3/1)

坂本和也氏は、同時期開催のふたつの展覧会(現代美術in豊川&アーツチャレンジ)に出品していた。アティスト・トークも両方で行っていたので紹介します。
◇現代美術in豊川: 《Landscape gardening ~feast~》1/17(土)13:00~ 桜ケ丘ミュージアム・2F
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 坂本和也と言います、宜しくお願いします。僕は今、北名古屋市に拠点を置きながら、絵画制作をしているんですけど、見ていただいたらわかる様にそんなに難解な方程式の上にある様な作品ではないので、目で見てもらえればいいんですけど。絵を描いていますという感じなんですけど。
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 これにも(展覧会のチラシ)書いてあるんですけど、何を描いているかと言うと主に水草を描いているんですけど。「ある事がきっかけで風景画を描こうと思いました」と、これには“ですます調“で書いてあるんですけど。そのある事というのは、3年か4年前ぐらいにありまして、それまでは全くこういう絵を描いていなかったんですけど。どうしたものかなと思って、何だろうな、路頭に迷っていた時に、「もう最後に風景がを描いて、お終いにしようか」くらいな状況に陥った事がありまして。その時に、下の深堀さん【アクリル樹脂に金魚を描く作家】は、家の中に金魚がいたって言ってたんですけど、僕は家にエビがいまして、200匹か300匹、当時いたんですけど、これだなって思って、アクアリウム(水生生物の飼育設備)って言うんですけど。
 何でそれをやっていたかというと、僕もともと鳥取県の出身なんですけど、鳥取県と言うのは豊川とすごく似ているなという、自然が日常の中に、すごく身近にある土地だったんです。そこでずっと育ったもんですから、北名古屋市に来た時、北名古屋市はあまり木とか生えていないんで、ここ豊川は木とか生えてて、いいなっと思って。それで、疲弊してしまうので家の中に自然ていうか水草を自分で取りこんで、それを愛でようっていう、それをずーっと7年間位やって来たんですけど。それをいよいよ描こうかなと思って描き始めて。よしこれを描いたらもう僕は終わろうと思ってたんですけど、でも今ここにこうやっている訳なんですけど。そういう生い立ち成り立ちがあります。
 で、一番よく聞かれる質問を聞かれる前に、めんどくさいので自分でしておくんですけど。丸が出て来るんですよ。丸が、この作品は、4個しか出てこないんですけど、この丸は何なんだとよく聞かれるんですけど、これはアマゾンフロッグピットっていう浮草なんですね。浮草を上から見たところです。「原発のマークですか?」とかいろいろ聞かれるんですけど。これは全部、基本的に水草がモチーフになっています。なので水草です。
 あと、これだけは今日言っておこうと思ったんですけど、昨日の夜、目測を誤って柱に激突してしまいまして、左に行こうと思ったら右に行ったら柱があって。で、ぶつかった瞬間に今日、話す事が全部飛んだ。でも飛んで良かったなと今は思っています。以上です。ありがとうございました。

◇アーツチャレンジ:《Landscape gardening ~breath~》2/17(火)14:00~
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 ここでのトークも豊川と同じ様な話をしていた。違うトピックを以下に記述。
 ・1日10時間描いてできた
 ・この作品が出来ると同時に、10年間吸って来たタバコをやめた
 ・アトリエは5mなので、作品を一直線でみたのはここが初めて
 ・描き方: アマゾンフロッグピットを最初に配置し、その周りから攻めていく
 ・豊川とここの作品を同時に制作した(アトリエがふたつなので)
 ・ずっとOUTPUTしていくと枯れて来る(エネルギー使う)ので、今は、絵を
  描かず水槽を潤している
  そうするとスクリュー・バリスネリア(水草の一種)を描きたいなという思い
  が沸々と湧いてきているので、次の作品はそのスクリュー・バリスネリア
  がメインとなった水草の絵になると思う
  当分水草かもしれない

坂本さんの飄々とした話し方は、女性に好評の様だった。

アーツチャレンジ2015 見学ツアー(田中里奈

アーツチャレンジ2015(2015.2/17-3/1)見学ツアー(田中里奈
 愛知芸術文化センター館内13か所 (2/17(火)14:00~16:15)
※案内は、選考委員の信州大学人文学部准教授の金井直(かない ただし)氏。

◇田中 里奈 《記憶の森をあるく》 絵画インスタレーション 地下1階フォーラム北側壁面
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 田中です、宜しくお願いします。私は、いつもは、こういった壁面に壁画を描くかたちではなくて、キャンバスを木枠に張った一般的なペインティングを描いています。これまで画面に対峙するのしか描いて来なかったんですけど、今回は特殊な場所で、階段の様な角度がついている壁と、柱に囲まれた空間が面白いなと思いまして。で、森という題材を選んだのと、柱と壁の存在が、木と木の間を潜り抜ける感覚とリンクするんじゃないかと思い、そうした性質を利用して、こういう森をイメージした作品を作りました。
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 元々、人の記憶にすごく興味がありまして、そこから考えながら描いているんですけれども、写真とかだと、一般的にその瞬間をひとつ切取る様な作品になると思うんですけど、絵画だともっと自由な事ができるなと思ったので。今回の作品は、向って右から左にかけて夏から秋に向かう様に時間軸の流れを作っています。
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 あとは、実際に森の中を歩いていたりすると、自分の(目線の)角度とかによって、視点がころころと変わると思うんですけども、そういう事を考えながらいろんな角度から、基本的には足元を見下げる様な構図になっているんですけども。
 こういう所はちょっと上から斜めに、結構上の方から結構見下ろす様な視線になっていたりとか。ここはホントに、タンポポ、見えないと思うんですけども、普通だと奥に続いている林が描かれるはずの光景なんですけども、そこをあえて描いていなくて、基本的に地面を見下げる構図になっているんですけど、そこのふたつに分かれている木のところだけは、遠くを見通せる様に木を入れて、そういう面でも画面を操作しながら描いています。
以上です。

-金井: ありがとうございます。田中さんのご提案は、まずこの場所ありきと言いますか、本当に沢山の視線や視点が開かれる場を活かすプランだったんですね。これが先行委員の中では最大の勝因として評価されたところでした。田中さん自身これまで作品を作られる時、わりと俯瞰構図であるとか、視点を意識した絵をお描きになっていましたね。
田中)ええ、そうです。
金井: ご自身が平面の中でやっておられた実験を、こういった機会にスケールアップして試みられたという事で、アーツチャレンジの主旨が活かされる制作をしていただけたと思います。

田中)スタッフの方から説明があったかもしれませんが、見るところを5ヶ所決めてありまして、右に2ヶ所、左柱の向こうに1ヶ所、正面の通路コーンの置いてある所と上のエスカレーター上った所、5ヶ所、立ち位置を決めてあります。そこに立って作品を眺めていただいて、私の身長で作っているので、(背の)高い方は低くなって見ていただけると、川とか苔とかが、繋がる様になっています。普通に白い壁に作品が掛っていて、絶対同じ構図にしか見えない作品ではなくて、立つ位置を変えると構図が変わる様になっています。良ければいろんな角度から見ていただけると嬉しいです。
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-金井: 水流をひとつのモチーフの中心にするというのは、それに限ると思いました?最初からそういうアイディアでしたか?
田中)そうですね、元々その、水・・・昔から絵画で光とか水とか風とか形が無いものをどう描いていくのかというのは、作家によって多分いろいろ考えながら描いてるんですけど、本当に個性が出るところだなと思っていて。で、丁度この刷毛を使っていろいろ描く事をやっていた時に、物質的には水がすごく興味があったので、実験的にドローイングをしていって、水流が今なら描けるなと思ったので、今回この作品にハイ。
 あとこの水流を奥から手前にジグザグの様なZ(ゼット)の様な形とかで作ると、必然的に手前、中間、奥の様な距離感が出るんですけども、そこをなるべく手前の苔の所と奥の苔は、距離がすごくあるはずなんですけれど、あえてクリーク(?)させたりとか、平面でしか出来ない事をいろいろ考えてやってます。

-金井: 水の流れだけ確かにおっしゃること、奥行きと言う話になるんでしょうけど、例えば、苔と言われているのが、結構、絵具がしっかり載ってあって、それが我々にとっての全景と後景でサイズが変わんないとか、いくつかのレイヤーが作品の中に重ね合わされていて、そこに画面の奥深さとか距離が出ているかと思いました。
 あと、今申し上げた通り、苔と言われる部分は、ご覧の通り割としっかり載っているんだけども、それ以外のところは割とこう染物の様な、あるいはステンシルで貼り付けた様な、いかにも綿布に描かれたらしいテクスチャーと油絵らしい濃密さが画面のメリハリになって。愛知県美の皆さんの前ですが、何かこう、春草と光琳が一変にこの場に現れてくれたかの様な、さわやかな作品だと思います。

<質問コーナー>
Q1)視点を変えるとの話がありましたが、日本画ではその様な事をやっていたかなと思いますが、視点を変えた方が面白いというのか、苔とかそのようなものを描きたかったのか、どうなのでしょう。

田中A) それは両方ありまして、例えば視点を変えているところから話していくと、絵画、すごく自由度が高い素材で、描くのであれば、ひとつの方向からではなくて・・、例えば記憶を描くのに、一瞬の記憶であれば、ひとつの視点で事足りると思うんですけど、年月を重ねたりですとか、5分間歩いている記憶を一枚の絵に入れるとなった時、ひとつの視点からでは無くて沢山の視点で、自分が経験してきた目で見た光景をひとつの絵画にまとめられると、私が経験した5分間をひとつにまとめられるじゃないかなと思ったのが、始まりです。
 日本画もあると思うんですけども、有名なところだとピカソとかが、目の位置とか顔の角度とか鼻の向きとかすごくいろいろ操作して描いているのも、多分そういう所につながるんじゃないかな、と私は思っています。あとは、ここの植物が逆向きに配置されているのは、昔の因果絵画(→絵因果経(えいんがきよう): 仏伝経典のひとつで、下段に経文を書写し、上段に経文の内容を説明した絵画を描いたもの)とかは、結構そういうのが多くて、手前が大きくて後が小さいみたいな遠近法とか、手前がはっきりしていて奥がぼやけている様な空気遠近法(→戸外の風景に於いて、遠景に向かうほどに対象物は青味がかって、且つ、輪郭線が不明瞭になり、霞(かす)んで見える現象を利用したもの)ではなくて、インド絵画だと奥も手前も結構同じ様な感じで扱われていて、それもちょっと面白いなと思って、そこからも発想を得ています。

-金井: この場所が、否応なく持っている複数の視点であるとか、複数の距離を作品のなかでがっちりと受け止められた印象を持ちます。中々難しい場所だったと思うんですけど、長くここに滞在されて制作されている様子でした。ありがとうございました。
田中)ありがとうございました。

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後日、作品を見ていたら、田中さんにお会いした。
5ヶ所の立ち位置からの構図を、どの様に描いたのかを伺った。
 「壁側の絵から制作を始めて、ある程度描いたところで、柱部分に取り
  掛かりました。立ち位置から見て絵がつながる様に構図を決めました」
制作は、3ヶ月程費やしたそうで、展示が2週間で終わるのは、
 「ちょっと残念です」

アーツチャレンジ2015見学ツアー(片岡純也

アーツチャレンジ2015(2015.2/17-3/1)見学ツアー(片岡純也
 愛知芸術文化センター館内13か所 (2/17(火)14:00~16:15)
※案内は、選考委員の信州大学人文学部准教授の金井直(かない ただし)氏。

◇片岡 純也 《Sound of the Sun》 音響インスタレーション作品 11階展望回廊
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 片岡です、宜しくお願いします。天気が悪いんですけど(この日は曇り)、この作品としてはすごくいい日で、音がささやかに鳴って。
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で、これがどういう仕組みで鳴っているかをご説明すると、ソーラーパネルがあるんですけれども、この吸盤で貼ってあるのがソーラーパネルなんですけれども。
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ここに光を受けて、白いコードを通って下の方に、ガラスの上に「木」の丸いのがあるんですが、そこに振動モーターが入っていて、ソーラーバネルで作ったエネルギーが、電気エネルギーになって、で振動モーターがチョット動く事によってガラスを叩いて音がなるというものなんです。
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 だから太陽の光がもっと(強い)天気の時とかは、すごくうるさくなって、長時間居たくないなみたいな気になるかもしれないですけど。けど今日は、ささやかな、耳を澄ますとちょっとづつ聞こえてくる様な、すごくいい日だと思います。雲の動きとか太陽の傾きによって、音が変わって行くんですね。それは、この空間に降り注ぐ光の量を、いわば聴覚化したという様に言えるんですね。ほんとにチョットした雲が入るだけで音が変わったり、西日が射すとすごくうるさくなったりとか。この空間に入って来る光の量を聴覚化する事で、もっとよく感じる事が出来るという作品になっています。
 僕の作品は、こういう装置を使ったものが多くて、自分ではその作品群の事を「作品的実験」と言ってます。「実験的作品」ではないです。自分の身の周りで起きているいろんな物理的現象を観察して、再現したり、(例えば)音とか光の変化とかそういうものに変換する事で、作品かしています。
 身の周り(にある事)に目を向ける事で、自分の中の世界がすごく広がって行きます。密度が上がるというか。チョットした事に、一個一個硝子の(ガラスの器の)音が違うという事、そういう事で自分の生活というか感覚が、豊かになって行くと思うので。私の作品を見て、皆さんにやってもらいたい事というのは、自分の身の周りの事に、例えば、鍋のポコポコしている音とかを面白いなと思ったり。そういう身の周りを観察する事で、皆さんの感覚もどんどん広がって行けばいいかなと。そんな意図はあります。
静かにするとよく音が聞こえると思いますが。晴れた日に来てもらうと、また全然違う様な音になっています。うるさいくらいです。ガラスというのが、ここに光が当たって音が生まれた様な、はごろもフーズのCMじゃないですけど、ウォータークラウンみたいなイメージで光がこう反射して、ガラス(の器)みたいな形で広がって行く様なイメージ(※ガラスの器から音(「チーン」)が広がる様子をウォータークラウンに例えている)もあってガラス(の器)を選びました。

<質問コーナー>
Q1)夜だとどうなるんですか?
片岡A)夜は全然鳴らないです。(ビルの照明では→)だめです。日が落ちたらならないけど、朝は自動的に(鳴ります)。お家にあれば目覚ましにいいと思います。
Q2)鳴る頻度は、光の強さだけですか?
片岡A)そうです。個別に調整しているわけでは無いです。全て同じシステムです。ですから、窓に張り付けた位置が1m位違うだけでも、光の量がチョットだけ違うんです。だから、最初、(複数が)同じ様にトントンと鳴り始めても、トトトントトトン・・・の様にちょっとずつズレていきます。そういう微妙な変化を聞く事が出来ます。
金井)設置の時、どういう意味で(取り付け位置の)高さを決めているのかと気になっていたのですが、音の速さとかも違って来るのですね。
片岡A)そうです。それで取り付け位置をバラバラにしています。
Q3)音階を意識しているわけでは無い?
片岡A)そうですね。音階は意識してなくて、ガラスの持つ物質的なもので変わってきます。
Q4)あそこの(太陽電池の裏についている回路)ところで、一度、電気を貯めているのですね。
片岡A)そうです。振動モーターを動かすのに十分なエネルギーが貯まると、電気が放出されて動くようになっています。だから晴れた日は、貯まるのが早いから、トントントン・・・・という風に。
Q5)この展示ですと他のところでも出来ますね。想定されているところはありますか。
片岡A)以前、5個くらいでやったりしたんですけど、面白いのは、前に木が生えていて、風があると葉っぱの影に入ってり入らなかったりでタイミングが変わったりとかして、面白かったです。

金井)また時間を変えて来ていただくと、片岡さんの世界が開かれて行くと思います。片岡さん、ありがとうございました。
片岡)ありがとうございました。

***********************

 晴れた日に、再度展望回廊を訪れたら、にぎやかなガラスの器の大合唱になっていた。確かに、曇りの日の「チリン・・・」といった落ち着いた風情ではない。多くのお客様が見えていたが、大半は、なんとなく音を聞きながら通り過ぎる感じだったので、仕組みについて簡単に説明を試みた。光を音で表現するとの話を聞かれると、作品を見る目が変わって来るのがわかる。現代アートを楽しむには、若干の情報提供が必要なのだと改めて思う。

 その日は、作家の片岡さんも見えていたので、少し話を伺った。
-太陽電池や蓄電等の回路は、どなたが作ったのですか?
片岡)自分で作りました。ネットで探すと、回路の作り方等の情報が結構載っています。部品は、秋葉原やネットShop等で買いました。振動モーターも(携帯のバイブレーションと同じ)50円位で売っていました。
-ガラスの器を叩く部分はどの様になっているのですか?
片岡)振動モーターで直接叩くと、音が高く大きいので(こんなに数が多いと)うるさくなる。それで、柔らかくする為に、木を使っています。この近くの東急ハンズに行ったら、ネックレスを作る素材の様な(数珠の様な)「木の粒」があったので、その中をくり抜いてモーターを埋めました。
-ガラスの器は、どの様に集めたのですか?
片岡)中古のものを購入しました。一部フランスに行った時、パリののみの市で購入したものもあります。
-日中は賑やかですが、夕日が沈むと同時に、この音は消えるのでしょうか。
片岡)日の入りと時を同じくして、すっと消え入ります。

※確認の為に、日の入り時刻の17:20頃に、再度、展望回廊に来てみた。
夕日は、一部がビルの影に隠れているので、弱々しい音になっていた。17:30過ぎ、夕日が沈み、遠く地平近くの雲の輪郭を赤く見せるだけとなった頃には、ほとんど音は聞かれなくなった。

片岡)「自分で言うのも何ですが、うまくいきましたね」

************** 夜の展示 ******************
金曜の夜は、20:00まで鑑賞できる。
でも、太陽電池が全くきかないので、展望回廊の作品は、静まり返っている。
時折、お客様が見えるが、何の展示なのか理解できずに帰って行く。
これではいけないと、LEDライトを準備した。
壁側に取り付けてある作品の太陽電池部分にLEDの光をあてる。
数秒程じっと待つ、・・・・ 「チン」
静寂の中でのグラスの音は、日本庭園の鹿威しの雰囲気だ。

アーツチャレンジ2015 見学ツアー(山田哲平

アーツチャレンジ2015(2015.2/17-3/1)見学ツアー(山田哲平
 愛知芸術文化センター館内13か所 (2/17(火)14:00~16:15)
※案内は、選考委員のひとり、信州大学人文学部准教授の金井直(かない ただし)氏。

◇山田哲平 《NAGOYA DANCE》 インスタレーション作品 地下1階南玄関階段上部
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金井: 皆さん、声が聞こえにくいかもしれませんけども、そういう場所です。
  (※作品の作動音が、結構、大きい)ご協力お願いします。作家の山田さんです。
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 宜しくお願いします。音が籠って聞こえづらいと思うんですけれども。僕は今回、人の心臓の音で、その人の衣服を揺らして、その人の服で、鼓動を可視化するという作品を作りました。
 普段、ごく最近は、音を可視化する、若しくは触覚化するという作品を作ってまして、いろんな音、自然の音を使ったりとか、心臓の音を使ったりとかいう事をしています。
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 今回は、名古屋という事で、その土地に関連する人達、11個作品があるんですけど、全てが名古屋に住む人で、名古屋で働く人の鼓動を集めて、その人にお願いをして、その人のキハク(気魄?)をもらいました。作品からはどんな人かわからないですが、象徴的なのは、紙おむつで、あれは4ヶ月の子の心臓の音をもらったりして。後は、そこにあるワイシャツの人は、60代のサラリーマンの方とか、あと一番奥のコックさんの心臓の音だったりとかいう人達の(心臓の)音を集めました。

 なぜこういう作品を作ったかと言うと、僕は、名古屋在住ではないんですけど、名古屋に来た時にすごい活気ある街だなと思って、その活気をどうにかして表現出来ないかなと思って。で、街の活気を作るのが、その人達の躍動であり、その躍動を生み出すのが、人間の根源的な生命の震えではないのか、という事でこういう風に、働く人住む人の躍動を集めて、ひとつの根源的な踊りみたいな感じで、《NAGOYA DANCE》という作品を作りました。
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実際には、軽く触ってもらって構わない作品になっています。 音(耳)と目と、後は触覚で、人の鼓動を感じ取ってもらえればなと思ってます。
ありがとうございました。

金井: 最初、この場所にという事では、いろんな考え方があったんですけど、結果的には、この薄暗いというか・・、我々の魂の鼓動といったものと結び付けられるのはこの空間の特徴。山田さんの中で工夫して活かしていただいたと、大変ありがたかったと言うのが、本心です。いくつかのスポットが当たっている所に合わせて、ひとつひとつの鼓動を用意して、この空間を私達にとって別の空間に変えてくださったと思います。皆さんも既にお感じになっていると思います。離れて聞いているとひとつの共通の振動なんだけども、ひとつひとつ聞き分けると、全く違うと言う事。その共通性と多様性といった所もここで、NAGOYA DANCE と言う風にタイトルを付けて下さった事の、大きな背景になるかと思います。違うと言う事、しかしそれが、ひとつに固まって聞こえると言う事、素敵な作品にしていただいたと思います。

<質問コーナー>
Q1)心臓の音ですが、重なって重低音の様に、ズーンという感じの音に聞こえるのでしょうか?
山田A)11個の心臓の音が、混ざって。スピーカーの真下に行ってもらえると、ひとつひとつの心臓の音が確認出来るんですけど。心臓の音って、基本的に重低音の方なんで、結構低い音なんです。それがかぶさってひとつのズーンという音に聞こえているんだと思います。
Q2)天井が低いので、そういうのが余計に共鳴して・・。
山田A)そうです。周りに響いて、こういう空間だからこそ音がこうなっていると思います。
Q3)心臓の音は、聴診器の様なもので採ったのでしょうか。
山田A)そうですね。実際にいろんな聴診器にマイクを付けて、直接、採らして貰って、そのまま使ってます。
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 スピーカーの下で鼓動を聞くと、明瞭に個々の心臓の鼓動を聞く事ができる。面白いのは、子供と大人では、鼓動のリズムにかなり違いがある事。赤ちゃんの「コトコトコト・・・」と言った細かで速いリズムの鼓動に比べると、大人、特に60代の方の遅い事、想像以上でした。比べると面白いです。
山田さんの《NAGOYA DANCE》サイトも参考に。

アーツチャレンジ2015 見学ツアー(星崎あい

アーツチャレンジ2015(2015.2/17-3/1) 見学ツアー
 愛知芸術文化センター館内13か所 (2/17(火)14:00~16:15)
※案内は、選考委員・信州大学人文学部准教授の金井直(かない ただし)氏。

-----<トーク>--------------
◇星崎あい 《わすれていいよ》 映像作品 地下2階通路西側
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 映像を流しながら話をさせて頂きます。この作品は、人が言われて嫌だった言葉をアンケートで集めて、それを水に溶かすという作品です。コンセプトとしては、「もう忘れていいですよ」っていう作品です。
 これを作った経緯なんですけども、私は他人に言われてすごく傷ついた言葉がありまして、その言葉を思い出すとグッと心が痛むという経験があって、それって何なんだろうって思って。グーで殴られたら傷は治るけど、言われた事を思い出すと、ウってなるのって、これはどうしたら消えるのかなって言うのが、原点で。
 そんな時、図書館でその手の癒し方みたいな本のコーナーがあって、何冊か見たら、「その言葉を忘れる為には、イメージしましょう」とかあって。例えば、白黒画面にイメージを置き換えてみるとか、紙に書いて破って捨てるとか、いろいろ書いてあったんですけど、その中のひとつに、水に流す、あと火で燃やすがあったりして。私は、最初、火で燃やすのか水で溶かすって言うのを、視覚的にやったら、人が見た時に、自分の心の中のやな言葉が消えるだろうか、っていう所から発想を得て、やってみました。
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 その本に書いてあった言葉は、結構自分でも言われたら嫌だっていう言葉が結構あったりして、そういう事があって、そういう本が沢山出ていたので、(嫌な言葉を)忘れられないのって、私の問題でなくて、世の中の人に、結構いろんな人に当てはまるのかなと思って、この作品を作りました。
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 自分が実際言われて嫌だなという言葉も集めてありましたし、私は全然気にならないけど、人はこの言葉が気になるんだっていうのもあったりして。で、言われる側だけでなく、無意識に自分が普段使っている言葉にも意識を払いたいなって言う意味も込めました。でもま、見る人の自由なので、11分時間で終わる作品なので是非みていただけたらなと思います。ありがとうございます。
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金井: (この作品)参加型といいますか、ここにありますが、「あなたの傷ついた言葉を書いて水に溶かして下さい」 ここに瓶(かめ)もありますので、皆さんなりの傷ついた言葉をジャンジャン流して下さい。
星崎: 一応、(言葉を書く紙に)枚数に限りがあるので、ひとり1日1枚なんですけど、別の日に来たらまた書けますし、今日早速消せる(瓶の中の水で溶かせる)ので、思い当たる言葉があったらそこに書いて、(瓶に)入れていって下さい。
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<質問コーナー>
Q1)燃やすとか破るとか、いろいろあったんですが、水に(溶かす方法に)したのは?(どういう理由)
星崎A) 最初、燃やしてみるという実験もやったんですけど、燃やすというと、何かメラメラメラみたいな、より悔しいみたいな。いろいろ調べて最終的に水にしたんですけど、手を洗うと心がリセットされるとか、日本には打水とか、神社に手洗い水があったりで、水は、浄化するというイメージがあるものなので、水に溶かす方が、より心が静かに、忘れていけるかな、というのもあります。

Q2)その紙は溶けやすい紙ですか?
星崎A) そうです。特別な紙を、探したらあったので、買って今回使用しました。

Q3)映像は、早回しではないのですか?
星崎A) 早回しでないです。普通の速度です。最初の部分は編集の都合で早回しもありますが、これは通常の速さで消えていきます。

Q4) 水に溶かすという展示は、今回初めてでしょうか?
星崎A) 実は、映像作品を発表したのは、初めてです。

Q5)撮影場所は、どこですか?
星崎A) 基本は、うちの近所なんですけれど、ここはたまたま表参道で見つけた、気になるところを許可頂いて撮影したり。ここは見ているとわかるんですけど、メイド喫茶で、撮らせていただいたり、場所も変化を付けました。やっぱりいろんなシーンで言われた言葉をと思ったので、(いろんな)時間と季節と場所で撮影しました。

Q6)映像の中で(言葉を書いた)紙を水の中に入れてましたが、その人は、癒されたのでしょうか?
星崎A) 本人の方はまだ見ていないので、わからないですし、実際、癒されるかどうかも。(今回確認すると?→)そうですね。癒されないかもしれないし。やってみなければわからない作品というのを作ってみたいというのもあって。やってみる事で心に変化があるかもしれないし、違う風に捉える方がいらっしゃるかもしれないし。最終的に「忘れていいよ」がコンセプトなので。皆さんやな言葉は、忘れて下さい。

<まとめ>
金井: 目に痛い直情的なメッセージが多かったりして、動揺するんですけども、星崎さんやその周りで語られているストレートな思いと、実際皆さんご覧になってお感じの通り、選考委員会でも話題になった映像としての魅力。今回初めて作られたのはホントなのかというくらい、ひとつひとつのシーンとか割り方とかは、魅力的でありました。直情的な部分、それと鑑賞者と関われる部分、そして映像のクオリティ、こういった合わせ技でこのスペースを星崎さんに託した、と言ったところでありました。是非、この後、文字を溶かして、皆さんなりに癒しが得られるか、試みていただければと思います。
星崎さん、ありがとうございました。
星崎: ありがとうございました。

現代美術in豊川2015《豊穣なるもの》アーティスト・トーク(佐藤雅晴

現代美術in豊川2015 《豊穣なるもの》アーティアスト・トーク
  豊川市桜ケ丘ミュージアム・豊川信用金庫旧いなり支店・古民家(2015.1/17-2/22)

1/17(土)13:00~ 桜ケ丘ミュージアム・1F
2)佐藤雅晴《ヤッホー!、カップル、鏡、他》
見て面白かったのは、この作品。現代アートによくある抽象的は映像表現ではなく、実写を忠実にアニメ化した様なもので、何がアートなのかと訝ってしまうが、よく見ると何だかおかしい。具象映像であるだけに返ってどの様な制作意図なのかと、考え込んでしまう。

-----<トーク>--------------------
こんちには、佐藤です。僕の作品は、基本的にアニメーション作品をずっと作り続けているんですけれども、アニメーションというと、スタジオ・ジブリさんとか、所謂テレビで流れているアニメーションというのは、何もないとこから、キャラクターなり、世界観なりを想像したりします。が、僕の場合は、自分の身の周りにある人物とか風景だったりとかを、カメラで映像や写真を撮ったりして、そのデーターをパソコンに取り入れて、PhotoShopというソフトで、ペンタブレットというマウスがペン状になっているものがあるんですけれども、それでトレースします。

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1枚いちまい、動画だったら1秒間に24枚の静止画を描き出して、そしてその静止画をトレースして、色を塗って、後で繋ぎ合せて、また映像に戻していって・・・、こういう形でアニメーションしていきます。なにかこう実写化、データにして画像にして、また映像に戻していくという手法を取っています。
今回このミュージアムの話を1年前位にいただきまして、この資料室の場所を与えられる事になって、実際に、この場所は見た事無かったんですけど、この巨大なガラスケースとか、こちらの壁の展示ケースがあるというのを知って、でガラスでこう反射していく事が出来るんじゃないかな、というのがあったので、この作品のテーマで、反射する世界というか、反響する世界とか、反転していく世界とかというのをイメージしながら、6点の作品を作りました。
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因みに今、「ヤッホー」って言っているこの声のモデルが、後ろの鏡で歯磨きをしている女の子が、「ヤッホー」って言ってくれて、それを録音して、こっちの作品に入れ込んだりとか、そういう関係でこの6点の作品の中でも呼応していたりしています。具体的な作品のコンセプトみたいなものは、僕は、なるべく具体的なビジュアルを作っているので、なるべく見たお客さんが自由な解釈を取れる様にしたいので、詳しくは僕からは、解説できないので、ま、ご自由に見ていただければな、と思います。
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《ヤッホー!》
この展示室とその周りに、「ヤッホーーー」の声が響く。小さな子供の声なのでそれ程大きなものではないが、美術館の(静かな)環境の中では、とにかく目立つ。
手袋の様な小猿の縫いぐるみを操りながら、街並の見えるマンションのベランダの様な場所で、ひたすら「ヤッホー」の動作を繰り返す。ディスプレーが2台、背中合わせで置いてあり、両方の画面で、ヤッホー動作の映像を映している。反対側の映像は、ガラスケースに反射して見える。
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よく見ると、街並が異なるのに気が付く。この2匹の小猿(手にはめた縫いぐるみ)は、離れた場所(のマンション)から、片方がヤッホーと呼びかけている時は耳を澄まし、次は、自分がヤッホーと返事をしている。それを延々と繰り返す。本当にただそれだけの《ヤッホー!》なのだが、見入ってしまう。それにしても、この2匹は、互いが見えているのだろうか。街並の映像からは、相手がどこにいるのかとても見えそうにない。ヤッホー動作を見ても、相手を見ながら呼びかけているとは思えない。見えない相手に向かって、ヤッホーと呼びかける。確かにヤッホー返事は返って来るが、相手がどこにいて、どんな小猿で何をしているのか、全くわからないままヤッホーの応答を繰り返す。何だか、ネット上のSNSのやり取りを連想させる。

《鏡》
このヤッホーの声の持ち主である少女は、鏡に向かって、これもまた延々と歯を磨いている。このディスプレーは、壁に掛けられているが、この展示室を出て、ぐるりと反対側に回ってその壁を見ると、少女の後姿が映し出されたディスプレーが掛けられている。勿論、鏡の前で歯磨きをしている。歯磨き少女の前姿と後姿をふたつのディスプレーに映しただけ・・・、にしてはおかしい。
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展示室側の映像は、少女の正面が鏡に映っているが、その鏡に向かって立っている少女の実体は見えない。 反対側の壁に掛けられたディスプレーは、少女の背中を映しており、始め、このふたつは、鏡の前の少女を反対方向から見たものと思ったが、そうではない。どちらも鏡に向かって立っている少女なのだが、ひとつは(展示室側)は、鏡に映る少女の実体が見えない。もうひとつ(反対の壁)は、歯磨き少女を背後から見ている人が、鏡に映っていない。どちらも視線が鏡に向き合う方向だが、視点の持ち主が見えない。

《カップル》
どこかの喫茶店だろうか、窓際の席にカップルが座ってコーヒーなどを飲んでいる、という何気ない日常風景と思ったら、何だかおかしい。
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窓ガラスに写る二人は、手前に座る二人と位置が反対。室内の女性がコーヒーカップを持っているが、ガラスに写るのは、コーヒーカップを手にした男性。ガラスには、二人の他に室内の家具の様なものが写っているが、同時に外の植え込みや歩道、信号機も見える。勿論、位置が逆になって座っているふたりも。現実世界が単に写り込んでいると思っていたら、奇妙な世界が見えてきた。チラシの中の作者のコメントに、「Facebook上で同性同名のもうひとりの《妻》から友達申請が来た」とありました。妻の様な人はホントに妻なのか、そんな気味のわるいなりすましを想像してしまいます。

現代美術in豊川2015 《豊穣なるもの》アーティスト・トーク(高木こずえ

現代美術in豊川2015 《豊穣なるもの》
  豊川市桜ケ丘ミュージアム・豊川信用金庫旧いなり支店・古民家(2015.1/17-2/22)
アーティアスト・トーク(1)高木こずえ《琵琶島》
1/17(土)13:00~ 桜ケ丘ミュージアム・1F でありましたアーティスト・トークの中から、高木こずえさんのトークを掲載します。「現代美術in豊川2015 《豊穣なるもの》」ポスター&チラシにある女性・横姿写真の作者ですね。
高田さんのプロフィールをネットで見ますと、
『高木こずえ/写真家
1985年長野県生まれ。2007年東京工芸大学写真学科卒業。ストレートフォトグラフィからデジタルコラージュまでシリーズ発表毎に変化を遂げ、異なる視覚世界を切り拓く潜在的エネルギーと、多様な表現力が評価されている。2006年キヤノン写真新世紀グランプリ、エプソン・カラーイメージングコンテスト準グランプリ受賞。2009年VOCA展府中市美術館賞受賞。2010年第35回木村伊兵衛写真賞、第15回信毎選賞受賞。国内外にて個展、グループ展多数参加。』
となっていて、中々華々しいものがありますね。

今回の展示タイトルは、《琵琶島》となっていて、長野県(高木さん在住)の琵琶島遺跡から取った名称だそうです。
現代美術in豊川は、基本、写真撮影OKですが、高木さんの展示はNGです。作家本人を撮影した写真のみ掲載します。話言葉そのままの文字起こしで判りづらい面もありますが、作家の雰囲気をそのまま伝える為に、編集せずに載せています。
-------<トーク>------------
こんにちは、高木こずえと言います。宜しくお願いします。
私は今長野県に住んで、主に写真を使った制作をしています。今回展示した写真も多くは長野県で撮ったもので、私が住んでいる所は、長野の北の中野市なんですが、そこに琵琶島遺跡がありまして、その場所から強い印象を受けて制作をしたので、作品シリーズ全体の名前としては、琵琶島というタイトルを付けています。
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この作品は、大きく四つの部分に分かれています。
一番目はスナップショット、二番目がコラージュ写真、三番目が記録写真、四番目がセットアップ写真という風になっています。ひとつづつ説明していきます。
例えばこれは、スナップ写真ですが、特に自分でこういう事を表現したくて撮るという始まりでなくて、歩き回りながら自分の気になったものをどんどん撮って行くという方法で撮っています。
次の二番目のコラージュ写真というのは、これとかこれとか一番奥の写真で、何枚かの写真を組合せて一枚の写真にしています。これだと、3枚の写真からこの部分とこの部分とここの部分というふうに、写真を切り貼りしてひとつのイメージを作っています。
3番目の記録写真というのは、この壁ではこれなんですけど、撮影用に自分で衣装を作っているんですけど、ま、衣装とか自分が作ったものを記録的に撮影していると言うものが、3番目の記録写真になります。
4番目のセットアップ写真というのは、こういう写真で、自分がこういうものを撮りたいというイメージがあって、それを写真にする為に作り込んで、モデルの人にお願いして、写真を撮っています。
この今言った四つが組み合わさって、全体の琵琶島という作品になっているんですけど、それぞれの関係性を説明すると、まず、いつも最初にスナップを撮ります。その沢山あるスナップ写真を組合せて、2番目のコラージュ写真というのを作っています。なのでこのスナップで撮った写真が、コラージュだと、この中のここの部分に、入っていたりするんです。で、このコラージュ写真、今何枚もあるんですけど、ホントは縦12m×横3~4mくらいのすごく大きな一枚の作品を作っていて、それはこういうスナップ写真を大体300枚くらい組合せて作ったものになっています。でその部分を切り出してきて、今回は同じ大きさで展示しています。で、3番目の記録写真は、ちょっと飛ばして、4番目のセットアップ写真について説明すると、その前に取っていたスナップ写真とかコラージュ写真というものを見て、そこから自分で、イメージしたものを写真にしています。
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(※右端に高木さんの手が見えます)
これの場合だと、この写真を見て、人が立っていて、これはミカンの皮なんですけど、で、これは落ちていた木の枝みたいなやつ、で、バラバラな写真なんですけど、こう切り取った時に、これが一枚の写真の様に見えて、で、コラージュによって生み出されたイメージを、現実世界(に)自分で作り出して撮影したいと思って、
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で、モデルの人にお願いして、これをまねして、こういう写真を撮っています。これを撮る為に作ったのが、さっきの記録写真でいってた衣装の写真、あれを、これを撮影する為に、ここから発想して、作って、これを着てもらって、この写真を撮ってます。
ま、こんな感じの関係で、いつも壁にそれぞれ展示していて、ま、大きく言うと、下の段はわりとスナップ写真が多くて、そこからコラージュ写真、記録写真、上の方に行くとセットアップした写真、という風に積み重なる様にして、展示をしています。で、全体として、遺跡の様な、いろんな写真が積み重なってひとつの遺跡みたいになっているという、そんな展示になっています。
ありがとうございました。
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ファンデナゴヤ2015 《NO ART!NO LIFE!》

ファンデナゴヤ2015
《NO ART!NO LIFE!私達はアーティストとして今を生きる》
 市民ギャラリー矢田(2015.1/8-1/25)

 ファンデナゴヤ2015企画展のひとつが、白水ロコさん企画の《NO ART!NO LIFE!私達はアーティストとして今を生きる》だ。説明には、「アートは目に見えない心を目に見えるものにし、喜びや悲しみを分かち合うことを可能にします。アートは人々の心を結び合い、私たちの心を豊かにするものなのです」と、あるのだが、主旨がいまひとつ飲み込めない。確かに、各展示室の入口には、小型ディスプレーが置いてあり、展示作家のインタビュー映像を流している。アートとの関わりや制作の動機等だ。しかし、展示全体として何らかの主張の様なものが感じられない。いろんな作品を並べたアートフェアの様な印象を受けた。
アーティストで企画を担当した白水ロコ(しろうず ろこ)さんが在廊だったので、いろいろ聞いてみた。
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-今回の展示のテーマについてお聞きしたいのですが。
白水ロコ)今回は、テーマ展と言うわけではなく、どちらかというとバラバラな作家の展示です。
-作家の方々とは、どういう関係なのですか?
白水)名古屋を中心に作家活動をしている現代アート、だけでもないですけど、作品の傾向とか、意図と言うか方向性がしっかり固まって来ている(中堅の)作家達です(白水さんの知合いらしい)。今回は、それぞれの部屋で自分の作品を見せる形にしています。(今回の出品作家は)いろんな人達がいるんですけど、その人のアーティストになった経緯(いきさつ)だとか、どういう事を考えて制作しているとか、そういう事がインタビューで紹介する事によって、よりそのアートの世界が身近になってくれたら、ちょっとでも理解が深まったらいいかなという感じの展覧会です。
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(※展示室の入り口に置いてある、インタビューを映している小型ディスプレー)

-名古屋を中心とした、若手、中堅といってもいっぱいいますね。
白水)そうですね。いっぱいいますね。でも私も知っている方は限られますし、あとこの様にグループになるという事に対して好まれない方もいるので、断られた方も何人かいらっしゃいます。グループと言っても、サークルという感じで、団体として行動しようとか言う感じではないですけど。
-単に知合いが集まったのでなく、サークルを作ったという事でしょうか?
白水)一昨年(2013年)、名古屋から発信するアーティスト集団みたいなのを作らないかと言う話を、今回の出展作家のひとり、張(チョウ)さんから私に相談がありまして、それで集まったメンバーです。
-サークルの名称は決まっているのでしょうか?
白水)グループ名は、「アート トルネード コミュニケーション」です。活動は、まだ殆どやってないです。
-チラシにもその名称が書いてありましたか?
白水)ええ、ハイ。(※チラシの右下にロゴマークあり)
今までは、アートを発信すると言っても東京から発信しないと全国区にならないとか、世界にも広がらないとか、あったんですけど、時代が変わって来て、いろんな発信の仕方が見えてきました。名古屋にいて活動していても、世界を視野に入れて発信出来る様な、何か出来ないかなって集まりました。
-名古屋でグループを作って東京に殴り込むのではなく、名古屋から直接世界へと・・・
白水)発表していけるのではないかと。いい作家もいっぱいいるので、勿体ないと言うのもあります。
-名古屋の若い人(作家)からは、「そろそろ東京に行きたい」という声も聞こえます。
白水)出版物も何もかも東京なので、東京で発表しないと全国区にならない、が現状ですね。
-「アート トルネード コミュニケーション」は、日本の全国区ではなく、それを飛び越し世界を目指すと。
白水)何が出来るかわかんないですけど、東京で展覧会やるにしても、いきなり企画っていうのも難しいですし、行って滞在して撤収するだけでも、相当費用が掛ります。でも、それをやって絶対効果があるのかっていうとわからない。それなら、ここで活動していても、いいのではという感じですね。海外のアート関係の人からは、日本のアート、特に現代アートが見えてこないと言われます。東京の限られた一つかふたつのギャラリーから紹介される作家しか見えてこないと。東京でやって、どうなる訳でないなら、ここ地元で活動して、そして発信していく事が、できるんじゃないかと思います。
-活動を世界に広げていく為の足掛かりとして、グループを作って地元で活動をしていくと、そういう伝手がうまく出来るものでしょうか。
白水)どうですかね、でも、それぞれ個人で活動している作家たちなので、人脈というか人のつながりがすごく影響してくるというか。
-これからも愛知で、「アート トルネード コミュニケーション」がこうした催し物を重ねるのでしょうか。
白水)グループ展という形でやるかどうかわからないですけど、自分たちが活動する事によって、自分たちの環境も少しは変わって行ったらいいなと思います。拠点がそろそろ名古屋市内に出来そうなので、新しい活動を発信出来るのではないかと思っています。
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※)向って左から、加藤恵利さん、白水ロコさん、水谷一子(はじめこ)さん。

アート トルネード コミュニケーション」の活動を調べて見ましたが、昨年もグループ展を開催していました。愛知県豊田市でART TORNADO COMMUNICATION in 顯正寺(けんしょうじ)、「お寺deアート」(2014年4月27日~5月6日)でした。

白水ロコさん自身は、木彫の作家で、体が動物で顔が人だったり、背中に羽があったり、時には顔がひとだけど体が虫なんてのもあります。なにやらおとぎ話の世界の様です。この様な作風のきっかけは、ニキ・ド・サン・ファールという彫刻家の作品だそうです。
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展示作品は、以前、HEART FIELD GALLERY や他のところで展示していたものです。
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Author:ゆでたまご
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