アーツチャレンジ2015見学ツアー(廣瀬菜々&永谷一馬
アーツチャレンジ2015(2015.2/17-3/1)見学ツアー(廣瀬菜々&永谷一馬
愛知芸術文化センター館内13か所 (2/17(火)14:00~16:15)
※案内は、選考委員の信州大学人文学部准教授の金井直(かない ただし)氏。
◇廣瀬菜々&永谷一馬 《Still life》 磁気インスタレーション作品 12階アートスペースG南
廣瀬菜々、永谷一馬です。2007年からドイツに滞在して、あちらの大学で昨年の9月に大学院を終えたところです。


この作品は、全長7mになるんですけども、作品の素材は磁器です。自分たちの日常とか家とかをテーマに、素材とか作品を選んでいるんですけど、この作品に関しては、普段自分たちの身の周りにあるものを、全て家の中にあるものとか食べてるもの生活の中にあるものを、全て石膏型で型取りして、で、そのひとつひとつを特別な磁器で、鋳込んで成形します。






普通の磁器だと焼いたらそのままコップはコップの形で焼き上がるんですけど、元あった形が焼成する事によって変形する事を目指して、ミックスを変えて、弱いというか熱に敏感な磁器にしています。焼く前は全てこう普通の形で。例えば、キャベツがあるんですけど、キャベツだと窯に入れる前は普通に丸い形ですけど、窯に入れて、もう一回ドアを開けたら、ペチャってなっている。

毎回、熱によっていろんな変化があって、私たちが一切コントロールできない形の変化と言うのが、丁度その熱エネルギーを通して作られるというものです。
日々移り行く日常みたいなものをテーマに作りました。
-金井: 磁器、焼成する事で形が変わるという事、作り手が全てコントロール出来ない要素を入れるというのは、工芸の世界であれば表に立つ方法かもしれませんが、廣瀬さん永谷さんの仕事の中でそれを持ち込むというのは、プロセスそのものを大切にするというのか、これはこれで今日的なアートの意義付けが可能ではないかと思いました。あと、この空間ですね。光を落して作品の世界を作りあげてくれたわけで、我々の期待にストレートに答えてくれた美しい展示でありました。
<質問コーナー>
Q1)このフニャッとした形は、焼いている時になるのですか?
永谷A)蝋が溶ける様な、そういう動きで。
Q1)でも粘土なんでしょう?
永谷A)そうです、石ですね。今の状態は焼いた磁器なので石の状態なんですけど、その固さ、磁器って一番固い素材なんですけど、それのとおくの柔らかい形、ミックスみたいな形を目指しています。
Q1)焼く前は乾燥させて、カチッとして
永谷A)そうですカチッとしてますが、温度と共に柔らかくなります。
Q2)フニャッとした形を狙っていると?
廣瀬A)ひとつづつの形を狙っているというか、私達の制作の根本に、自分たちの日常っていうのが、何かのきっかけとか何かによって変化するという、例えばこの作品で言うと、そういう情景と言うのがひとつのテーマなんです。変化した日常と言うのがひとつのテーマとなっていて、例えばこの作品をひとつづつ展示するという方法を取らずに、情景として見せていきたいという事で今回この展示をさせていただいてます。
Q3)全部色がついてないですが、白に拘ったのでしょうか。
永谷A)そうですね、磁器の素材の色そのもので、着色せずこれで完成です。
-金井: そのあたり試みた事はおありですか?
永谷A)いろいろやってみたけど、そうすると最初に言っていた、日常の形が変わって行くという事からずれていく部分があって、着色はやめました。
-金井: 「日常の」というのは他にどんなものを作られたんですか。今回はテーブルの上のものが並んでいますけど。
廣瀬A)例えば、日常をテーマに、自分達の住んでいる家を今テーマにして。それは紙を素材に使っていたんですけど、365日、折り紙の様な感じで自分達の家を365個作ってそれを並べた作品であるとか。 あと鳥の巣をテーマに、巣立ちという感じで自分の家の横に木で鳥の巣を作った作品であるとか。
永谷A)そういう一作一作、素材とか仕上げとか、様々な(工夫の)作品を制作し続けています。今回、日本で初めて展示の機会を頂けたので大変ありがたいと思っています。
Q4)焼成の温度によって曲がり具合が変わると思いますが、そういうコントロールはしているんですか?
廣瀬A)いろんな焼成温度で試したんですけど、焼成温度だけでなく、調合であるとかいろんな事で変化は変わってきます。なのでその時の自分たちの中で一番綺麗だろうが・・・
永谷A)いろいろ試した中で、どんどん温度を上げていくと、最後はガラス玉みたいなのが残るんですね。元あったオブジェクトがわかる範囲の変化、ぐらいのところを狙っている、そのあたりを完成としています。全て溶け切ったガラスの水たまりみたいなものは、元が何だったかわからないのでそれは行き過ぎかなと。
Q5)二人の仕事に分担であるんですか。
廣瀬A)難しいですけど。作品によります。例えば私がアイディアを出して、その設計を彼がしたりとか。彼がアイディアを出して・・という感じで、その作品によって素材が全く違うんで、作品によりけりですね。とりあえず全ての作品が、二人の話し合いの中から生まれてコミュニケーションで作っていますね。
Q6)熱による変形なので、完全なコントロールは難しいと思いますが、打率はどの位でしょう。
永谷A)結構低いですね。半分くらいは(→結構高いですね!)・・・・、3割くらいですかね。
-金井: 入って来た時の印象は、精緻な感じですが、話を聞くと磁器ならではの熱とか、ものに込められた力とかがすごく溢れて来るのを実感できて、お話を聞くととても面白かったです。ひとつひとつ見ている時の印象とは違う全体の力も大切だと思いました。
またドイツに戻られるんですか、日本でも展示はなさいますか。
廣瀬A)とりあえず又ドイツで頑張って、同時に日本でもこれからの展覧会の機会があれば、また頑張って応募したいと思っています。
-金井: これが貴重な第1回目、我々も嬉しく思います。ありがとうございました。
廣瀬・永谷)ありがとうございました。
愛知芸術文化センター館内13か所 (2/17(火)14:00~16:15)
※案内は、選考委員の信州大学人文学部准教授の金井直(かない ただし)氏。
◇廣瀬菜々&永谷一馬 《Still life》 磁気インスタレーション作品 12階アートスペースG南
廣瀬菜々、永谷一馬です。2007年からドイツに滞在して、あちらの大学で昨年の9月に大学院を終えたところです。


この作品は、全長7mになるんですけども、作品の素材は磁器です。自分たちの日常とか家とかをテーマに、素材とか作品を選んでいるんですけど、この作品に関しては、普段自分たちの身の周りにあるものを、全て家の中にあるものとか食べてるもの生活の中にあるものを、全て石膏型で型取りして、で、そのひとつひとつを特別な磁器で、鋳込んで成形します。






普通の磁器だと焼いたらそのままコップはコップの形で焼き上がるんですけど、元あった形が焼成する事によって変形する事を目指して、ミックスを変えて、弱いというか熱に敏感な磁器にしています。焼く前は全てこう普通の形で。例えば、キャベツがあるんですけど、キャベツだと窯に入れる前は普通に丸い形ですけど、窯に入れて、もう一回ドアを開けたら、ペチャってなっている。

毎回、熱によっていろんな変化があって、私たちが一切コントロールできない形の変化と言うのが、丁度その熱エネルギーを通して作られるというものです。
日々移り行く日常みたいなものをテーマに作りました。
-金井: 磁器、焼成する事で形が変わるという事、作り手が全てコントロール出来ない要素を入れるというのは、工芸の世界であれば表に立つ方法かもしれませんが、廣瀬さん永谷さんの仕事の中でそれを持ち込むというのは、プロセスそのものを大切にするというのか、これはこれで今日的なアートの意義付けが可能ではないかと思いました。あと、この空間ですね。光を落して作品の世界を作りあげてくれたわけで、我々の期待にストレートに答えてくれた美しい展示でありました。
<質問コーナー>
Q1)このフニャッとした形は、焼いている時になるのですか?
永谷A)蝋が溶ける様な、そういう動きで。
Q1)でも粘土なんでしょう?
永谷A)そうです、石ですね。今の状態は焼いた磁器なので石の状態なんですけど、その固さ、磁器って一番固い素材なんですけど、それのとおくの柔らかい形、ミックスみたいな形を目指しています。
Q1)焼く前は乾燥させて、カチッとして
永谷A)そうですカチッとしてますが、温度と共に柔らかくなります。
Q2)フニャッとした形を狙っていると?
廣瀬A)ひとつづつの形を狙っているというか、私達の制作の根本に、自分たちの日常っていうのが、何かのきっかけとか何かによって変化するという、例えばこの作品で言うと、そういう情景と言うのがひとつのテーマなんです。変化した日常と言うのがひとつのテーマとなっていて、例えばこの作品をひとつづつ展示するという方法を取らずに、情景として見せていきたいという事で今回この展示をさせていただいてます。
Q3)全部色がついてないですが、白に拘ったのでしょうか。
永谷A)そうですね、磁器の素材の色そのもので、着色せずこれで完成です。
-金井: そのあたり試みた事はおありですか?
永谷A)いろいろやってみたけど、そうすると最初に言っていた、日常の形が変わって行くという事からずれていく部分があって、着色はやめました。
-金井: 「日常の」というのは他にどんなものを作られたんですか。今回はテーブルの上のものが並んでいますけど。
廣瀬A)例えば、日常をテーマに、自分達の住んでいる家を今テーマにして。それは紙を素材に使っていたんですけど、365日、折り紙の様な感じで自分達の家を365個作ってそれを並べた作品であるとか。 あと鳥の巣をテーマに、巣立ちという感じで自分の家の横に木で鳥の巣を作った作品であるとか。
永谷A)そういう一作一作、素材とか仕上げとか、様々な(工夫の)作品を制作し続けています。今回、日本で初めて展示の機会を頂けたので大変ありがたいと思っています。
Q4)焼成の温度によって曲がり具合が変わると思いますが、そういうコントロールはしているんですか?
廣瀬A)いろんな焼成温度で試したんですけど、焼成温度だけでなく、調合であるとかいろんな事で変化は変わってきます。なのでその時の自分たちの中で一番綺麗だろうが・・・
永谷A)いろいろ試した中で、どんどん温度を上げていくと、最後はガラス玉みたいなのが残るんですね。元あったオブジェクトがわかる範囲の変化、ぐらいのところを狙っている、そのあたりを完成としています。全て溶け切ったガラスの水たまりみたいなものは、元が何だったかわからないのでそれは行き過ぎかなと。
Q5)二人の仕事に分担であるんですか。
廣瀬A)難しいですけど。作品によります。例えば私がアイディアを出して、その設計を彼がしたりとか。彼がアイディアを出して・・という感じで、その作品によって素材が全く違うんで、作品によりけりですね。とりあえず全ての作品が、二人の話し合いの中から生まれてコミュニケーションで作っていますね。
Q6)熱による変形なので、完全なコントロールは難しいと思いますが、打率はどの位でしょう。
永谷A)結構低いですね。半分くらいは(→結構高いですね!)・・・・、3割くらいですかね。
-金井: 入って来た時の印象は、精緻な感じですが、話を聞くと磁器ならではの熱とか、ものに込められた力とかがすごく溢れて来るのを実感できて、お話を聞くととても面白かったです。ひとつひとつ見ている時の印象とは違う全体の力も大切だと思いました。
またドイツに戻られるんですか、日本でも展示はなさいますか。
廣瀬A)とりあえず又ドイツで頑張って、同時に日本でもこれからの展覧会の機会があれば、また頑張って応募したいと思っています。
-金井: これが貴重な第1回目、我々も嬉しく思います。ありがとうございました。
廣瀬・永谷)ありがとうございました。
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