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StandingPine  Spring Painting Art Show

StandingPine  Spring Painting Art Show
- 荒井理行、犬飼真弓、鈴木由依
4月4日(土)~4月24日(金)

机の上には、奇妙な形をした陶の小作品が、並べられていた。鈴木由依さんの作品は、今年1月、豊穣なるものin豊川(桜ケ丘ミュージアム)以来2度目だ。
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何と言うのだろうか、元々の形の変容とでも。下の作品は、(向かって)右から見ると人の顔ですが、視点を左に移動していくと、山羊(かな?)の顔が現われます。
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この全く異なる二つの顔をひとつに纏めてしまう奇妙さと、何だか妙にスムースに人から山羊に変わっていく様がくすぐったい感じです。

こちらの器を見て豊川での作品を思い出しました。
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今回の作品は、「untitled」ですが、豊川では、「metamorphose鉢 鵺退治(ぬえたいじ)」となっていました。(鵺退治:平安末期、京の街に毎夜現る怪物・鵺(ぬえ)を源頼政と家来の猪早太が退治した)
↓豊川の作品↓
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鈴木さんの作品のキーはこの「metamorphose」なのかなと思います。現実に存在するあるものが、他のものや昔話等と鈴木さんの頭の中で、絡み合いながら変容するのでしょう。壁には、2枚の油彩の作品があります。女性3人が描かれている作品のタイトルは、「Salamander」(燃える炎の中に住む火を司る伝説のトカゲ)。
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 女性の周りにはなにやらモヤモヤしたものが見える。顔の部分では、女性の目に、全身に炎を纏ったサラマンダーの目が重なる。腕や背中にもまとわり這いまわる。3人は手を繋ぎながら互いを見つめる。この状況の不可解さが、想像(妄想)を掻き立てる。

左右の壁面には、犬飼真弓さんの作品が掛けられている。ボールペンや(色)鉛筆によるドローイングの小品だ。
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ちょっと目を引いたのが、この作品。モチーフとなる女性の顔は、これまでの作品を連想させるが、鉛筆(ペン)による影の部分の表現がいい感じ。顔のまわりを丸く切って、髪の毛が伸びた部分はひらひらに。
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作品リストを見たら、『非売』となっている。何で?
犬飼さんが、ギャラリー受付の後で何やらカリカリ描いていたので、聞いてみた。
「あの、この作品、“非売”ですけど、もう売れたんですか」
  「あ・・、そうでなくて、他で使うので」
「他で?」
  「他の展示で使う予定があるので、売れないんです」
「またここで展示をするんですか」
  「いえ、名古屋芸術大学内で展覧会があるので、そこに出します」
なのだそうだ。
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増田恵助 個展 – playing –

増田恵助 個展 – playing –  S.Y.P Artist Space(東京都新宿区) 2015.3/20-29

高校1、2年だろうか。中学3年でもおかしくはない。華奢な体を紺色のつなぎの様な服でちょっとルーズに包む。背に明るい黄色を添えたデイパック。そこに鮮やかな赤や黄色の花。手首にはパステルカラーのブレスレット、腰にも一束の花を括り付ける。足を見ると、水色と濃いピンク、左右で異なる靴の色。目立つ色の組合せではあるけれど、“目立とう”と肩に力の入った着こなしではない。お気に入りの服とアイテム、耳には曲を奏でるイヤホンがあるのだろうか、好きなメロディも身に纏って、ふらりとお出かけ。
               《Music》
増田恵助Music400

 増田さんの個展に訪れるのは3年振りだ。
2012年4月の「half remembered dream」(ギャラリー芽楽/名古屋)で、初めて増田さんの作品を見た。《M.J》(女子高生らしい)が良かった。この絵《Music》を最初に見たのは、増田さんのWebサイトだったが、M.J=典型的な女子高生のイメージが浮かんできた。左右色違いの靴を履いていたり、デイパックに花を挿して歩いている女の子を、実際に、身近では見た事は無い。だが、「見たよ」と言われたら、そうだろうなと直ぐに納得してしまう、そんな既視感があるのだ。
 どんな時代にも(美)少女像があり、それはその時代の雰囲気を映し出す鏡のようにも思える。《Music》の少女も、現代日本の典型的な少女像(=女子高生)の姿を映している。義務教育が終わって、大人として扱われる迄の少しの間の踊り場に佇んでいる。昔であれば(昭和の始めとか)、学校を卒業したらすぐに、働きに出るか、そうでなければ結婚も珍しい事ではなかったのだから(「姉やは十五で嫁に行き」とか)。
 そう考えると、景気回復がいまいちと言われる現代日本ではあるが、この様な女子高生の生存が可能な程の豊かさはまだ持ち合わせているらしい。羨ましい程の自由で気ままな毎日なのだが、その華奢な体を見ていると、ちょっと危うさも感じてしまう。

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描き方は、2012年と比べて少々変わって来ている。以前は、こんな感じだったが、
増田恵助2012

最近はこんな感じが多い。
増田2015縮小400
増田さんに聞いてみたら、「美人画の作家ではない」ので「そういう人が描く服装やポーズ」にならない様にしているそうだ。モデルさんはいるが、そのまま忠実に描いているわけではなく、ポーズもいろいろトライしてよさそうなのを選んでいる。たまたま近くにあった枝をもってみるとか。
 最近の作品では、この様なものがある。色違いの靴下、顔にペイント、幾何学模様のTシャツ、更に枝を持たせて。成立するかどうか際どいところだ。
顔ペイント400
顔のペイントは、デビッドボウィ(の映像、昔のCDジャケット?)をヒントにしたのだそうだ。
 「あ、いいなって思って」
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(こんなのかな?)
いろんな所から、服装やポーズのヒントを探しながら、構成を練っている。その中には、街で見かける女子高生のも含まれるのだろう。
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増田恵助さん。
この写真を見ていたら、増田さんの表情が、絵の女性の表情に似ている様に思えてきた。
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Author:ゆでたまご
鑑賞者の目で現代アートを探求

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