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高橋コレクション(名市美で女子会)その2

4月27日、名古屋市美術館 高橋コレクションMindfulness! に出展している4人の女性作家(名知聡子さん、和田典子さん、松井えり菜さん、近藤亜樹さん)のトーク 「その2」です。
先回の松井えり菜さんに続いて、今回は、近藤亜樹さんです。

近藤亜樹)えり菜ちゃんの次いやですねー。よろしくお願いします。(パチパチパチパチ・・・)
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(※右に見えるのが、近藤さんの作品。それにしても、ウーパールーパーが目立つ。)

ちょっとあの松井さんとは違うんですけれども。これは3年前の地震の時、山形にいて、震災を・・あの、もろこう受けたんですけど、その時に、放射能の問題がすごい言われていて、山形なのに。宮城県、福島に挟まれて、すごい飛んでたと思うんですけど。その時にものすごくショックを受けたんですね、自分自身が。友達は無事だったんですけど、その友達の家が流されたり、んー、悲惨な感じだったんですけど、今表現者として何を残せるかなって考えた時に、津波とか震災とか、んー放射能とか、昨日の事に影響されたアーティストってものすごいいると思うんですけれども。その事をまるまる描いてしまうと下品に思えたし、あまりにも悲惨だったから、あ、あまりに綺麗だったんですよね、光景が。んー、それで、後世生きる人に何か残せるとしたら、こういう事がありましたと言うのを描くのではなくて、何か強いメッセージ性があるものを残したいなと思って、その時、50枚くらい画用紙に描いて、その中の1枚で。これは放射能を受けた、浴びている私たちが、いずれ進化して、例えば、手足がいま普通にありますけれども、指が六本になったり、足が3本になったり、耳が無くなったり、そういう事が起きた時に、キノコみたいに自分の体から人間が生えてきて、その時亡くなった人とか、すごく愛しい人が、そこから生えてきたらいいなって思いで描いてみて。ん、ちょっと重くなりましけど、そういう感じの絵なんです。
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松井)今、ウーパールーパーの足が4本なんだよって話をして・・・、これがアーティストトークだなって。勉強しました、ありがとうございます。
笠木)近藤さんのその時感じられた気持ちを、画面に込めてみんなに、後の人に伝える。直接的な事でなくて、作品を通して別の形でその時体験した衝撃を伝えたい、そういう気持ちで描かれた。
近藤)あと、ぽかんと残された人は、心に穴が開いているので、そこでもう一回自分の中で、生き続けると言うメッセージも込めて、こういう風に描いたんです。
松井)ふーーん。亜樹ちゃん、よく考えているんだネ。すごく感動しましたヨ。
笠木)他の方からも質問受けたいと思いますが。 では、松井さんからまず。
松井)亜樹ちゃん、久しぶり!
近藤)久しぶり。
松井)亜樹ちゃんがね、そんな風に考えるとはつゆ知らず。ファッションで描いてんなーとすごく、力強さに目が行ってたんですけれども。そのお話を聞いてから、していい質問かどうかわからないですが、この亜樹ちゃんの絵ってものすごい絵具を使っているよね。亜樹ちゃんのアトリエに行った時、先ず気になるのは、あの、ぶちまけられた絵具っていう。すごいパワフルに描くから、これ多いんじゃない。
近藤)すごい重いと思います。でも、あんまりのっかってない方。
松井)でも、ひと月にどれくらい絵具って、使う?
近藤)すごい量です、ほんとに。ホルべイン(※注:絵具メーカー)から表彰されてもいいくらい。(ハハハハハ)どれくらいだろう、白い絵具だと、これくらいのチューブが、60個くらい。(他4人「エーー!」)
松井)白でふやすしかない、その量使うから。
近藤)でも全部しろくなっちゃう。
松井)あ、そっか。(ハハ) 油絵具ってお金かかるね。亜樹ちゃんのは、アクリルではないんだ。
近藤)アクリルは、紙に描くときだけで、あんまり。
松井)最近、なんか家具とか
近藤)そ、家具に描いて、立体的な絵画を、座れる絵画、みたいな。
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松井)じゃ構成的に似てねえ、立体のウーパールーパーと。(近「そうかなー?」) 似てない!ま、いいです。
笠木)「座れる家具」というのは。
近藤)そう、こっち側見えてないですけど、豚だったり。これがスツールで、イスでもテーブルでもいける。こういう感じの家具を。(笠「何個くらい?」) 40個くらい。アートフェア東京で描いてて。
松井)コラボレーションしていたよね。
近藤)そう、ファップデザインで、段ボール家具のメーカーとデザインさんとコラボレーションでやりました。
松井)オシャンティやね。
笠木)ちょっと可愛らしい恰好でいらっしゃいますけど。
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近藤)普段、こんな恰好してないですから。メイドの格好してやったのは、ハッパキ(?)カフェってやって、それで持て成す為に。
松井)すごいもてなされたのが、ありましたね。すごく癒されました。
近藤)いつもこんな恰好してるんですかって言われて。
松井)亜樹ちゃん、いつもお洒落よね。私いつもボロボロで。たしか名知さんもパタゴニア(※注:スポーツ&アウトドアウェア・ブランド)着てるって。
名知)あれはね、あれは頑張っている方。普段もっとひどいから。
松井)アーティストって結構意外と、制作の時はね。(「ひどいよねー」)わからない感じになってきました。
笠木)今日は皆さん、素敵な感じで、可愛らしい感じで。アイドルかなーって。・・じゃまた名知さんから質問を。
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名知)50枚描いてるって初めて知ったんですけれど、因みにこれは何枚目くらいの・・。大体で、真ん中くらいか、終わりくらいか、最初くらいか。
近藤)絵をきれいに並べて描くんじゃなくって、この後ろとかに挟めてどんどん描いていくから、何枚目かわかんない。同時に出来るんです、だから。(「あーなるほど」)
名知)そうかじゃ、最初の辺で描いてるのと、最後の辺を描いてる時やっぱ、ちょっと感情って違うんですか?
近藤)や、同じで、一定期間描いているものは全部同じもので、そこが全部終わると、もうそん時の気持ちには戻れないんですよね。だから、すっごいショックを受けたはずなんだけど、過去の事思い出しても綺麗になって行くじゃないですか、と思って。(「なってくー」)なってくでしょ。それが、この時には戻れないんですよね。
名知)その時しか、描けないんですよね。そうですね。

笠木)じゃあ、和田さん。
和田)とー、じゃあ私からは、すごいそうですね、んーあの、絵にまつわる話を今日初めて聞いたので、もともとなんかインターネットとかの中にイメージで、あの、絵を拝見した事があったんですけれど、その時もなんか結構すきだったなとか、面白そうだなっていう印象があって、それで今回展示で初めて生の作品を見て、で、お話も聞いてよりこの作品が私も何か好きになったんですけども。でー素朴な質問なんですけれども、絵具をさっき沢山使うという事をだったので、絵具ってメーカーによっても同じ色の名前でも、結構違ったりするじゃないですか。何かこう自分が好きな絵具って言うのは、あるかなって。
近藤)やっぱホルベインの白は、他のメーカーと違って、白いんですよね絵具が。(「そうなんですね」)会社に問い合わせても、皆さん参考にして欲しいんですけど、白がものすごい白いんですよ。売られている白って、ホルベインの回し者じゃないんですけど、白って若干人が見て白だっていうのを感じる為に、ちょっと黄色っぽい加工をしているみたいで。でもいろんなメーカーの中でもホルベインが、一番白い。(「んーーん」)白はホルベインです。
笠木)まさに制作をなされている方ならではのお話を聞けて、ありがとうございます。

質問A)山形で震災にあった時、制作してましたか、していたらそれは何ですか。
近藤)地震が起きた時は、お家にいました。制作中じゃなく、丁度「告白」と言う映画を見終わった後、ズドンと来たんです。で、ほんとに絶望的な、あの映画も結構悲惨な映画でしたけど。その時、絵が描けなくて、生きている事も罪みたいな感じになって来るんですよね。周りに沢山亡くなられて、やってる事も絵を描くことだから、社会に貢献しているかどうかもわかんなくなって来るって言うか。でもボランティアに行って、一番最初に救われるのは、ボランティアを、震災で瓦礫とかを、手伝ってもらってる方でなく、ボランティアしている方が助けられるんですよ。てゆうのは、彼女とか彼らは、震災を受けた人よりも、ものすごい明るいんですね。余計に何かしないといけないと思ったんですけれど、みんなが皆ボランティアをすれば良いってものでもないし、今すぐお金を作って、あげれるだけ私も年をとってないので貯金がなかったんです。その時、で、何か出来ることは無いかなと思った時に、10年後20年後の事を考えたら、彼らが絶対に、ま今3年経つんですけど、3年後とかって攻めるところが無くなって来るんですよ。震災があって、原発が悪いとかそういう事でなく、自然の災害だから、っでその時に、何か見てる人が、ふっとその時の事を思い出したり、和らげたりする事が、私たちの役目だと思ったら、そのまま描くよりも何かメッセージを込めて届けてあげたいなと思って絵を描く方法を選んだです。ん。私はそうです、それでだんだんテーマが決まって行って。
(「制作はいつごろ?」)8月・・・3ヶ月後くらいです。

質問B)画材のこだわりは
近藤)パレットが白くないとダメですね。(「紙パレット使ってんだね」)紙パレットじゃないと。白ければ何でもいいんですけど。色が反映されるじゃないですか、隣の色と。だから白は絶対使う。・・・色は一色じゃ見えないと思っていて、例えば、みかんてオレンジネットに入っているから甘そうに見えるけど、青いネットに入っていたらすごい酸っぱそうに見えるじゃないですか。そういうのと同じで、絵も隣に来る色によって変わるんで、絵具を作る時は、フラットな状態にしておきたいと思っていて、感じです。

笠木)私から一つ聞きたいのですが、近藤さんが学生の頃に、高橋コレクション展、最初の「ネオテニージャパン展」をご覧になって、その時にこのまま画家をやっていこうと思われたとお聞きしたんですけれども。
近藤)そうですね、画家というかアーティストですね。なれれば・・、なろうと思ったんです。(笠「その時の話を」)
その時の話・・・多分、山口晃さんだと思うんですけれども、額が、壊れていている様な額があって、「あれっ!真面目じゃなくていいのか!」って思って。大学ってアカデミックで、ちゃんとこう、「見たものはちゃんと描きなさい」みたいなのがあって、私はどうしても描けなかったんですね。劣等生だと言われて、こんな世界やめてやると思っていたけど、地元に丁度、札幌に帰った時に、ネオテニージャパンをやってて、で、山口さんの作品、その時は、意図的にやっているのか壊れているのかわかんなくて、「あれ、これでも許されるんだ」と思って、そっかそれならできるよ、と思ってアーティストを目指した、ですよね。
笠木)へー、高橋コレクションに縁が深い。(近「そうですね縁が深いです」)今回、山口晃さんの作品、出品してますけど、額が・・
近藤)そう、何か1個だけ変、やっぱりこれ変なんですね。なんかみんなこう揃っているのに、いきなりこっちに出てたり・・・。
笠木)こわれてるのありますね。壊れているわけではないですが。
近藤)そうですね、多分意図的にやってるのかもしれない。(ハハハハ)山口さんには言えないですけど、皆さん言わないで下さいね。
笠木)ま、そのお蔭でこんな素晴らしいアーティストが生まれたので。また名古屋でもこの展覧会を見て、アーティストが生まれて欲しいなと思います。
近藤)特にあの私なんか皆より絵が下手なので、みんななれる気になって来ると思うので、是非なってください。
笠木)ありがとうございました。

======<「その3」に続く>========

近藤さんの作品が、東北の震災を悼んでのものとは思わなかった。
この様な事態に対し、アートは、アーティストはなにをすべきかとの話は、当時からよく聞かれた。2011年3月15日に、「トリエンナーレを通して愛知・名古屋を語る」対談:建畠哲(あいトリ2010監督)×諏訪哲史(小説家) が、企画されていた。が、震災の為、急遽 ”東北地方に襲いかかった未曾有の大地震と津波の被害を受けとめて、お2人には「アートには何ができるのか」と題して、アートの可能性、そしてその不可能性について、お話をお伺いします。” の様に変更になった。興味深いのは、その対談のなかで、近藤さんと同じ様な発言があった事。
 諏訪氏:「今後の私の作品に確実に影響を与える事になるが、
       いま、震災をテーマに作品を書くことはできない。 」
 建畠氏:「アウシュビッツの後で、詩を書くのは、野蛮だ。」
      (他の人の言葉を紹介)
悲惨さをそのまま作品とするのは、直接的過ぎて抵抗がある、と言う事なのでしょう。(表面的な話だが)しかし、諏訪氏は同時に、被災地の光景、とりわけビルの屋上に巨大な船が乗っかった状況を「あえて誤解を恐れずに言えば-『美しい』と感じた」とも述べた。
私も、ボランティアに(石巻市)行って感じたのは、その点だ。普通の家屋の1階に船が突っ込んでいたり、駐車場にヨットが転がっていたり。瓦礫の原っぱに、ポツンと鳥居だけが立っていたり(神社はない)。非日常の世界。しかし、そこに暮らす人々はすでに、それを当たり前の様に気にする風でもない。
地元の新聞・河北新報に掲載された写真を見た。私が宿泊先として利用させていただいた割烹料理屋(1Fが被災で営業できず)の近くに、北上川がありそこに架かる橋に(津波により)衝突した船が、山の様になっていた。驚くべきはもう一枚の50年前の写真だ。全く同じ光景がそこにあった。チリ地震による津波が、三陸海岸を襲ったのだ。
高々50年前の事を、私たちは忘れてしまっている。アートが、人の心に働きかける事が出来るのなら、この美しく悲惨な光景を人の心に刻み込むのも、使命なのではと思う。
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