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アーツチャレンジ2015 見学ツアー(星崎あい

アーツチャレンジ2015(2015.2/17-3/1) 見学ツアー
 愛知芸術文化センター館内13か所 (2/17(火)14:00~16:15)
※案内は、選考委員・信州大学人文学部准教授の金井直(かない ただし)氏。

-----<トーク>--------------
◇星崎あい 《わすれていいよ》 映像作品 地下2階通路西側
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 映像を流しながら話をさせて頂きます。この作品は、人が言われて嫌だった言葉をアンケートで集めて、それを水に溶かすという作品です。コンセプトとしては、「もう忘れていいですよ」っていう作品です。
 これを作った経緯なんですけども、私は他人に言われてすごく傷ついた言葉がありまして、その言葉を思い出すとグッと心が痛むという経験があって、それって何なんだろうって思って。グーで殴られたら傷は治るけど、言われた事を思い出すと、ウってなるのって、これはどうしたら消えるのかなって言うのが、原点で。
 そんな時、図書館でその手の癒し方みたいな本のコーナーがあって、何冊か見たら、「その言葉を忘れる為には、イメージしましょう」とかあって。例えば、白黒画面にイメージを置き換えてみるとか、紙に書いて破って捨てるとか、いろいろ書いてあったんですけど、その中のひとつに、水に流す、あと火で燃やすがあったりして。私は、最初、火で燃やすのか水で溶かすって言うのを、視覚的にやったら、人が見た時に、自分の心の中のやな言葉が消えるだろうか、っていう所から発想を得て、やってみました。
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 その本に書いてあった言葉は、結構自分でも言われたら嫌だっていう言葉が結構あったりして、そういう事があって、そういう本が沢山出ていたので、(嫌な言葉を)忘れられないのって、私の問題でなくて、世の中の人に、結構いろんな人に当てはまるのかなと思って、この作品を作りました。
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 自分が実際言われて嫌だなという言葉も集めてありましたし、私は全然気にならないけど、人はこの言葉が気になるんだっていうのもあったりして。で、言われる側だけでなく、無意識に自分が普段使っている言葉にも意識を払いたいなって言う意味も込めました。でもま、見る人の自由なので、11分時間で終わる作品なので是非みていただけたらなと思います。ありがとうございます。
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金井: (この作品)参加型といいますか、ここにありますが、「あなたの傷ついた言葉を書いて水に溶かして下さい」 ここに瓶(かめ)もありますので、皆さんなりの傷ついた言葉をジャンジャン流して下さい。
星崎: 一応、(言葉を書く紙に)枚数に限りがあるので、ひとり1日1枚なんですけど、別の日に来たらまた書けますし、今日早速消せる(瓶の中の水で溶かせる)ので、思い当たる言葉があったらそこに書いて、(瓶に)入れていって下さい。
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<質問コーナー>
Q1)燃やすとか破るとか、いろいろあったんですが、水に(溶かす方法に)したのは?(どういう理由)
星崎A) 最初、燃やしてみるという実験もやったんですけど、燃やすというと、何かメラメラメラみたいな、より悔しいみたいな。いろいろ調べて最終的に水にしたんですけど、手を洗うと心がリセットされるとか、日本には打水とか、神社に手洗い水があったりで、水は、浄化するというイメージがあるものなので、水に溶かす方が、より心が静かに、忘れていけるかな、というのもあります。

Q2)その紙は溶けやすい紙ですか?
星崎A) そうです。特別な紙を、探したらあったので、買って今回使用しました。

Q3)映像は、早回しではないのですか?
星崎A) 早回しでないです。普通の速度です。最初の部分は編集の都合で早回しもありますが、これは通常の速さで消えていきます。

Q4) 水に溶かすという展示は、今回初めてでしょうか?
星崎A) 実は、映像作品を発表したのは、初めてです。

Q5)撮影場所は、どこですか?
星崎A) 基本は、うちの近所なんですけれど、ここはたまたま表参道で見つけた、気になるところを許可頂いて撮影したり。ここは見ているとわかるんですけど、メイド喫茶で、撮らせていただいたり、場所も変化を付けました。やっぱりいろんなシーンで言われた言葉をと思ったので、(いろんな)時間と季節と場所で撮影しました。

Q6)映像の中で(言葉を書いた)紙を水の中に入れてましたが、その人は、癒されたのでしょうか?
星崎A) 本人の方はまだ見ていないので、わからないですし、実際、癒されるかどうかも。(今回確認すると?→)そうですね。癒されないかもしれないし。やってみなければわからない作品というのを作ってみたいというのもあって。やってみる事で心に変化があるかもしれないし、違う風に捉える方がいらっしゃるかもしれないし。最終的に「忘れていいよ」がコンセプトなので。皆さんやな言葉は、忘れて下さい。

<まとめ>
金井: 目に痛い直情的なメッセージが多かったりして、動揺するんですけども、星崎さんやその周りで語られているストレートな思いと、実際皆さんご覧になってお感じの通り、選考委員会でも話題になった映像としての魅力。今回初めて作られたのはホントなのかというくらい、ひとつひとつのシーンとか割り方とかは、魅力的でありました。直情的な部分、それと鑑賞者と関われる部分、そして映像のクオリティ、こういった合わせ技でこのスペースを星崎さんに託した、と言ったところでありました。是非、この後、文字を溶かして、皆さんなりに癒しが得られるか、試みていただければと思います。
星崎さん、ありがとうございました。
星崎: ありがとうございました。
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