アーツチャレンジ2015見学ツアー(藤井龍
アーツチャレンジ2015(2015.2/17-3/1)見学ツアー(藤井龍
愛知芸術文化センター館内13か所 (2/17(火)14:00~16:15)
※案内は、選考委員の信州大学人文学部准教授の金井直(かない ただし)氏。
◇藤井 龍 《Private Collection》 絵画&映像インスタレーション作品 12階アートスペースG北

始めまして、藤井龍(ふじい りょう)です。この作品は、友達の家や親戚の家のご実家に遊びに行った時に、そこに架かっている絵とか彫刻作品の感じが、非常に気になった事が、発想の原点になっています。何が気になったかというと、絵画・彫刻作品の置かれている状況の性質が、美術館やギャラリーである性質と全く異なるという事が気になって。で、その状況を集める事と、実際の作品をそこからこのギャラリーに持って来て展示する事となると、作品の所有者に作品についてのインタビューをおこなってそれも映像として残して展示する、という三つで1セットの作品を作りました。
インタビューを通して、彼らもそれまで日常的には背景となっていた全く気にならない作品を、作品として意識しだすというのは、また面白くて。とても楽しく作りました。


-金井: 三つの、3組と言いますか、普段家の中にある絵画・彫刻をミュージアムの中に持ち込んでみる、そしてその事に対して、持ち主の言葉を入れてみる。いくつかの仕掛けを重ねながら、展示についての展示、コレクションについてのコレクション、或はコレクションする事に対する愛とか、こう言った事に対して意識を開いてくれる作品かと思います。3組を選ばれた理由と言いますか、或は三つそれぞれどういう違いがあるのか。
藤井)全部で11人にインタビューしました。ここの空間的広さと、いろんなタイプの人を作品を集めたいと思ったので、その11人の中から3名、僕が独断で選びました。あと、この作品は、僕の青臭い問題である、結局美術って何なのかという問題にも接続していると思います。
-金井: 一番今回の会場の中では、展示室という作品が自明のものとして開かれていく、そういった場でどういった意味で展示と言うのがなされていくのか、あらためて捉えるそんな考えに満ちた作品と思います。この話の中で意外な話はなかったですか、映像として残せない様なとか。
藤井)ここで使ってない方ですが、蕎麦屋に飾ってあった絵をインタビューした時に、つい蕎麦屋の宣伝をされたのでびっくりして。いつかは展示したいと思ってますが。
<質問コーナー>
Q1)そもそも11名はどうやって探しのでしょうか。知り合いの範囲ですか。
藤井A)知合い伝手に声を掛けていただいて、知り合いの知合い、そのまた知合いくらいの方です。
Q2)11名から3名を選んだ基準みたいなものは何でしょうか。
藤井A)基準はいろいろあって難しいんですけど、今回の展示では3人とも違うタイプの作品だったり、おっしゃっている事だったり、
例えば息子さんの作品だったりとか。


彼女の場合は、彼女の義理の母親が購入した絵だったりとか、


彼も、結構この人はストーリーがあったんですけど、あの方は思い入れがあるのかないのかわからない、


そういう全員違うタイプのを集めて展示してみたいと思ったので、この3人を選びました。
Q3)そこにある(飾っている)作品と言うより、それを持っている人の方に注目しているという事ですか。飾っている状況というか。
藤井A)一番最初に気になったのは、飾ってある状況です。美術館やギャラリーで飾られている作品を見るというのはかなり特殊な状況だと思うんで、全ての作品を均質な状況で見るというのは、逆に、そこにも興味があったし、又こういう家でかなりイレギュラーな形で展示されている、展示していると言っていいのかわからないけど、そういう事にもとても興味がありました。
-金井: 藤井さんは、こういった活動・制作をメインにされていたわけでないですよね。もっといろんな事をされてましたね。今回、ここに気持ちを向けた切っ掛けは?以前は彫刻も作られていましたね。
藤井A)最近は、作家の立場みたいな事をよく考えていて、自分の作品と作家という、ま彫刻とか絵画を作ったり描いたりすると、生産者としての作家ですよね。生産者としてではない作家のあり方は無いのかなという、ま考えの途中なんですけど。ま、そういう事を実践してみたかったのでこのプランをしました。
-金井: そういう実験の一端かもしれませんけども、こういう場所に開く事ができて、藤井さんにとってもとても良いチャレンジ・経験だったと思いますけど。この空間(アートスペースG)て、カーテンが空いてると日常的ですよね。閉じたミュージアムと言うより、日常とか社会とか、平均的な何かがすっと入って来るこの関係も、今回この空間で藤井さんに展示をお願いしようとした理由のひとつでありました。選考委員としてもこちら側の意図に、乗り越えるというかそれ以上の展開をして下さってありがたく思います。ありがとうございました。
藤井A)ありがとうございました。
*****************************************
<後日談>
たまたま長者町のアーティストグループ「AMR」のUstream映像を見ていたら、アーツチャレンジ2015の話をしていて、この作品が話題に取り上げられていた。上に写真を載せた「例えば息子さんの作品だったりとか」の女性は、AMRのメンバーのひとり浅井雅弘さんのお母さんだった。つまり、今回展示されているこの作品は、淺井さんの子供の時と予備校時代の作品という事。


愛知芸術文化センター館内13か所 (2/17(火)14:00~16:15)
※案内は、選考委員の信州大学人文学部准教授の金井直(かない ただし)氏。
◇藤井 龍 《Private Collection》 絵画&映像インスタレーション作品 12階アートスペースG北

始めまして、藤井龍(ふじい りょう)です。この作品は、友達の家や親戚の家のご実家に遊びに行った時に、そこに架かっている絵とか彫刻作品の感じが、非常に気になった事が、発想の原点になっています。何が気になったかというと、絵画・彫刻作品の置かれている状況の性質が、美術館やギャラリーである性質と全く異なるという事が気になって。で、その状況を集める事と、実際の作品をそこからこのギャラリーに持って来て展示する事となると、作品の所有者に作品についてのインタビューをおこなってそれも映像として残して展示する、という三つで1セットの作品を作りました。
インタビューを通して、彼らもそれまで日常的には背景となっていた全く気にならない作品を、作品として意識しだすというのは、また面白くて。とても楽しく作りました。


-金井: 三つの、3組と言いますか、普段家の中にある絵画・彫刻をミュージアムの中に持ち込んでみる、そしてその事に対して、持ち主の言葉を入れてみる。いくつかの仕掛けを重ねながら、展示についての展示、コレクションについてのコレクション、或はコレクションする事に対する愛とか、こう言った事に対して意識を開いてくれる作品かと思います。3組を選ばれた理由と言いますか、或は三つそれぞれどういう違いがあるのか。
藤井)全部で11人にインタビューしました。ここの空間的広さと、いろんなタイプの人を作品を集めたいと思ったので、その11人の中から3名、僕が独断で選びました。あと、この作品は、僕の青臭い問題である、結局美術って何なのかという問題にも接続していると思います。
-金井: 一番今回の会場の中では、展示室という作品が自明のものとして開かれていく、そういった場でどういった意味で展示と言うのがなされていくのか、あらためて捉えるそんな考えに満ちた作品と思います。この話の中で意外な話はなかったですか、映像として残せない様なとか。
藤井)ここで使ってない方ですが、蕎麦屋に飾ってあった絵をインタビューした時に、つい蕎麦屋の宣伝をされたのでびっくりして。いつかは展示したいと思ってますが。
<質問コーナー>
Q1)そもそも11名はどうやって探しのでしょうか。知り合いの範囲ですか。
藤井A)知合い伝手に声を掛けていただいて、知り合いの知合い、そのまた知合いくらいの方です。
Q2)11名から3名を選んだ基準みたいなものは何でしょうか。
藤井A)基準はいろいろあって難しいんですけど、今回の展示では3人とも違うタイプの作品だったり、おっしゃっている事だったり、
例えば息子さんの作品だったりとか。


彼女の場合は、彼女の義理の母親が購入した絵だったりとか、


彼も、結構この人はストーリーがあったんですけど、あの方は思い入れがあるのかないのかわからない、


そういう全員違うタイプのを集めて展示してみたいと思ったので、この3人を選びました。
Q3)そこにある(飾っている)作品と言うより、それを持っている人の方に注目しているという事ですか。飾っている状況というか。
藤井A)一番最初に気になったのは、飾ってある状況です。美術館やギャラリーで飾られている作品を見るというのはかなり特殊な状況だと思うんで、全ての作品を均質な状況で見るというのは、逆に、そこにも興味があったし、又こういう家でかなりイレギュラーな形で展示されている、展示していると言っていいのかわからないけど、そういう事にもとても興味がありました。
-金井: 藤井さんは、こういった活動・制作をメインにされていたわけでないですよね。もっといろんな事をされてましたね。今回、ここに気持ちを向けた切っ掛けは?以前は彫刻も作られていましたね。
藤井A)最近は、作家の立場みたいな事をよく考えていて、自分の作品と作家という、ま彫刻とか絵画を作ったり描いたりすると、生産者としての作家ですよね。生産者としてではない作家のあり方は無いのかなという、ま考えの途中なんですけど。ま、そういう事を実践してみたかったのでこのプランをしました。
-金井: そういう実験の一端かもしれませんけども、こういう場所に開く事ができて、藤井さんにとってもとても良いチャレンジ・経験だったと思いますけど。この空間(アートスペースG)て、カーテンが空いてると日常的ですよね。閉じたミュージアムと言うより、日常とか社会とか、平均的な何かがすっと入って来るこの関係も、今回この空間で藤井さんに展示をお願いしようとした理由のひとつでありました。選考委員としてもこちら側の意図に、乗り越えるというかそれ以上の展開をして下さってありがたく思います。ありがとうございました。
藤井A)ありがとうございました。
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<後日談>
たまたま長者町のアーティストグループ「AMR」のUstream映像を見ていたら、アーツチャレンジ2015の話をしていて、この作品が話題に取り上げられていた。上に写真を載せた「例えば息子さんの作品だったりとか」の女性は、AMRのメンバーのひとり浅井雅弘さんのお母さんだった。つまり、今回展示されているこの作品は、淺井さんの子供の時と予備校時代の作品という事。


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