増田恵助 個展 – playing –
増田恵助 個展 – playing – S.Y.P Artist Space(東京都新宿区) 2015.3/20-29
高校1、2年だろうか。中学3年でもおかしくはない。華奢な体を紺色のつなぎの様な服でちょっとルーズに包む。背に明るい黄色を添えたデイパック。そこに鮮やかな赤や黄色の花。手首にはパステルカラーのブレスレット、腰にも一束の花を括り付ける。足を見ると、水色と濃いピンク、左右で異なる靴の色。目立つ色の組合せではあるけれど、“目立とう”と肩に力の入った着こなしではない。お気に入りの服とアイテム、耳には曲を奏でるイヤホンがあるのだろうか、好きなメロディも身に纏って、ふらりとお出かけ。
《Music》

増田さんの個展に訪れるのは3年振りだ。
2012年4月の「half remembered dream」(ギャラリー芽楽/名古屋)で、初めて増田さんの作品を見た。《M.J》(女子高生らしい)が良かった。この絵《Music》を最初に見たのは、増田さんのWebサイトだったが、M.J=典型的な女子高生のイメージが浮かんできた。左右色違いの靴を履いていたり、デイパックに花を挿して歩いている女の子を、実際に、身近では見た事は無い。だが、「見たよ」と言われたら、そうだろうなと直ぐに納得してしまう、そんな既視感があるのだ。
どんな時代にも(美)少女像があり、それはその時代の雰囲気を映し出す鏡のようにも思える。《Music》の少女も、現代日本の典型的な少女像(=女子高生)の姿を映している。義務教育が終わって、大人として扱われる迄の少しの間の踊り場に佇んでいる。昔であれば(昭和の始めとか)、学校を卒業したらすぐに、働きに出るか、そうでなければ結婚も珍しい事ではなかったのだから(「姉やは十五で嫁に行き」とか)。
そう考えると、景気回復がいまいちと言われる現代日本ではあるが、この様な女子高生の生存が可能な程の豊かさはまだ持ち合わせているらしい。羨ましい程の自由で気ままな毎日なのだが、その華奢な体を見ていると、ちょっと危うさも感じてしまう。
******************************************
描き方は、2012年と比べて少々変わって来ている。以前は、こんな感じだったが、

最近はこんな感じが多い。

増田さんに聞いてみたら、「美人画の作家ではない」ので「そういう人が描く服装やポーズ」にならない様にしているそうだ。モデルさんはいるが、そのまま忠実に描いているわけではなく、ポーズもいろいろトライしてよさそうなのを選んでいる。たまたま近くにあった枝をもってみるとか。
最近の作品では、この様なものがある。色違いの靴下、顔にペイント、幾何学模様のTシャツ、更に枝を持たせて。成立するかどうか際どいところだ。

顔のペイントは、デビッドボウィ(の映像、昔のCDジャケット?)をヒントにしたのだそうだ。
「あ、いいなって思って」

(こんなのかな?)
いろんな所から、服装やポーズのヒントを探しながら、構成を練っている。その中には、街で見かける女子高生のも含まれるのだろう。

増田恵助さん。
この写真を見ていたら、増田さんの表情が、絵の女性の表情に似ている様に思えてきた。
高校1、2年だろうか。中学3年でもおかしくはない。華奢な体を紺色のつなぎの様な服でちょっとルーズに包む。背に明るい黄色を添えたデイパック。そこに鮮やかな赤や黄色の花。手首にはパステルカラーのブレスレット、腰にも一束の花を括り付ける。足を見ると、水色と濃いピンク、左右で異なる靴の色。目立つ色の組合せではあるけれど、“目立とう”と肩に力の入った着こなしではない。お気に入りの服とアイテム、耳には曲を奏でるイヤホンがあるのだろうか、好きなメロディも身に纏って、ふらりとお出かけ。
《Music》

増田さんの個展に訪れるのは3年振りだ。
2012年4月の「half remembered dream」(ギャラリー芽楽/名古屋)で、初めて増田さんの作品を見た。《M.J》(女子高生らしい)が良かった。この絵《Music》を最初に見たのは、増田さんのWebサイトだったが、M.J=典型的な女子高生のイメージが浮かんできた。左右色違いの靴を履いていたり、デイパックに花を挿して歩いている女の子を、実際に、身近では見た事は無い。だが、「見たよ」と言われたら、そうだろうなと直ぐに納得してしまう、そんな既視感があるのだ。
どんな時代にも(美)少女像があり、それはその時代の雰囲気を映し出す鏡のようにも思える。《Music》の少女も、現代日本の典型的な少女像(=女子高生)の姿を映している。義務教育が終わって、大人として扱われる迄の少しの間の踊り場に佇んでいる。昔であれば(昭和の始めとか)、学校を卒業したらすぐに、働きに出るか、そうでなければ結婚も珍しい事ではなかったのだから(「姉やは十五で嫁に行き」とか)。
そう考えると、景気回復がいまいちと言われる現代日本ではあるが、この様な女子高生の生存が可能な程の豊かさはまだ持ち合わせているらしい。羨ましい程の自由で気ままな毎日なのだが、その華奢な体を見ていると、ちょっと危うさも感じてしまう。
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描き方は、2012年と比べて少々変わって来ている。以前は、こんな感じだったが、

最近はこんな感じが多い。

増田さんに聞いてみたら、「美人画の作家ではない」ので「そういう人が描く服装やポーズ」にならない様にしているそうだ。モデルさんはいるが、そのまま忠実に描いているわけではなく、ポーズもいろいろトライしてよさそうなのを選んでいる。たまたま近くにあった枝をもってみるとか。
最近の作品では、この様なものがある。色違いの靴下、顔にペイント、幾何学模様のTシャツ、更に枝を持たせて。成立するかどうか際どいところだ。

顔のペイントは、デビッドボウィ(の映像、昔のCDジャケット?)をヒントにしたのだそうだ。
「あ、いいなって思って」

(こんなのかな?)
いろんな所から、服装やポーズのヒントを探しながら、構成を練っている。その中には、街で見かける女子高生のも含まれるのだろう。

増田恵助さん。
この写真を見ていたら、増田さんの表情が、絵の女性の表情に似ている様に思えてきた。
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