渡辺 英司 新作展「急げ、ゆっくり」
渡辺 英司 新作展「急げ、ゆっくり」
(ケンジタキギャラリー名古屋) 2015.6/13-7/11
ギャラリーの入り口のドアを開けると、一本の木の柱、《心柱》が目に入る。

「心柱」と言えば、五重の塔の中心にある柱を思い起こす。それは地震対策の制振装置らしいけど、こちらはそうではないらしい。柱の周りを回って、その断面形状を見ると、奇妙な凸凹になっているのが判る。

ハート型だ。合板を同じサイズのハート型にカットして、それを百枚以上も重ね、一本の柱に仕立てている。だから、《“心”柱》。
奥のコーナーには、黄色に塗られた半円(板)や大小の球が並べてある。
《太陽系》

大きな半円は、太陽。次に大きい球が、木星。円盤を伴うのが、土星。続く中くらいの二つが、天王星と海王星。それ以外は、大きさで判別するのは難しいが、青色に着色してあるものが地球だ。展覧会の最終日の為、来廊していた作家の渡辺さんに教えて頂いた。
隣の壁には、黒い小山の様な絵が掛っている。
《昼夜》

「The Day & Night Map」なるものがあって、世界地図上に、昼と夜を表示します。ネット上で検索するとこんな感じのものが見つかります。

夏至に近ければ北極(上の部分)は白夜となって明るくなり、夜は、絵の様に、下に開いた小山の様な形になります。球体表面の光が当たる部分と影の部分を、平面上に表現するとこの様になるわけですね。
右の壁には、何やら奇妙な恰好をした掌の絵が並びます。何かを掴む様な恰好に見えます。
《球種》

渡辺さんの説明では、野球のピッチャーが、様々な球種を投げる時のボールの握り方だそうです。どの手がどんな球種なのか、素人にはわかりませんので、聞いてみました。「あ、これはね」と言って絵を一枚、壁から外し、「これはパームボール」。絵の裏側に球種が書いてありました。(下図中段の中央の手)



2階の展示スペースに、《鶴》というタイトルの絵があった。
小型のキャンバスの上に、白い絵具を塗り、対角線やその周りに絵具の盛上げた様な直線を見せる。この形状の意味するところが不明。

反対側の壁には、《三色の鶴》。正方形の色紙に、先程のキャンバスの絵と同じ直線が描かれている。

多分、この直線は、折り紙の「鶴」を開いて、元の1枚の紙に戻した時の”折り目”なのだろう。(確認してないけど、多分そう)
太めの角材の上に、ペットボトルの蓋をのせた《フルボトル》。蓋を載せるだけで、角材がボトルに見えて来る。

***************************
渡辺さんと言えば、植物図鑑から植物の写真を切取り、床一面にそれらを植えて「図鑑庭園」を作ったり、昆虫図鑑から蝶の写真を切取って壁に貼りつける等の作品が、真っ先に思い浮かぶ。しかし、渡辺さんの作品作りに興味を惹かれるのは、今回の様な、自由な発想による様々な試みを見せてくれるところだ。
「急げ、ゆっくり」 マイペースで行こう、と言う事か。
(ケンジタキギャラリー名古屋) 2015.6/13-7/11
ギャラリーの入り口のドアを開けると、一本の木の柱、《心柱》が目に入る。

「心柱」と言えば、五重の塔の中心にある柱を思い起こす。それは地震対策の制振装置らしいけど、こちらはそうではないらしい。柱の周りを回って、その断面形状を見ると、奇妙な凸凹になっているのが判る。


ハート型だ。合板を同じサイズのハート型にカットして、それを百枚以上も重ね、一本の柱に仕立てている。だから、《“心”柱》。
奥のコーナーには、黄色に塗られた半円(板)や大小の球が並べてある。
《太陽系》

大きな半円は、太陽。次に大きい球が、木星。円盤を伴うのが、土星。続く中くらいの二つが、天王星と海王星。それ以外は、大きさで判別するのは難しいが、青色に着色してあるものが地球だ。展覧会の最終日の為、来廊していた作家の渡辺さんに教えて頂いた。
隣の壁には、黒い小山の様な絵が掛っている。
《昼夜》

「The Day & Night Map」なるものがあって、世界地図上に、昼と夜を表示します。ネット上で検索するとこんな感じのものが見つかります。

夏至に近ければ北極(上の部分)は白夜となって明るくなり、夜は、絵の様に、下に開いた小山の様な形になります。球体表面の光が当たる部分と影の部分を、平面上に表現するとこの様になるわけですね。
右の壁には、何やら奇妙な恰好をした掌の絵が並びます。何かを掴む様な恰好に見えます。
《球種》

渡辺さんの説明では、野球のピッチャーが、様々な球種を投げる時のボールの握り方だそうです。どの手がどんな球種なのか、素人にはわかりませんので、聞いてみました。「あ、これはね」と言って絵を一枚、壁から外し、「これはパームボール」。絵の裏側に球種が書いてありました。(下図中段の中央の手)



2階の展示スペースに、《鶴》というタイトルの絵があった。
小型のキャンバスの上に、白い絵具を塗り、対角線やその周りに絵具の盛上げた様な直線を見せる。この形状の意味するところが不明。

反対側の壁には、《三色の鶴》。正方形の色紙に、先程のキャンバスの絵と同じ直線が描かれている。

多分、この直線は、折り紙の「鶴」を開いて、元の1枚の紙に戻した時の”折り目”なのだろう。(確認してないけど、多分そう)
太めの角材の上に、ペットボトルの蓋をのせた《フルボトル》。蓋を載せるだけで、角材がボトルに見えて来る。

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渡辺さんと言えば、植物図鑑から植物の写真を切取り、床一面にそれらを植えて「図鑑庭園」を作ったり、昆虫図鑑から蝶の写真を切取って壁に貼りつける等の作品が、真っ先に思い浮かぶ。しかし、渡辺さんの作品作りに興味を惹かれるのは、今回の様な、自由な発想による様々な試みを見せてくれるところだ。
「急げ、ゆっくり」 マイペースで行こう、と言う事か。
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