鋤柄ふくみ MULTI LAYER展
鋤柄ふくみ MULTI LAYER展 (ALA アートラボあいち 長者町) 2015.10/8-10/24
アートラボあいちMULTILAYER展の最終日に滑り込んだ。ALA長者町の階段を五階まで上がったところで、鋤柄さんと視線が合った。最終日なので、このあと搬出作業があるのだろう。展示スペースは、狭くて細長いビルの4階と5階。4階に小作品が6点、5階には、大きなサイズの作品が3点+小作品が展示されていた。
手狭な展示室の右手の壁に《2015年の水辺b-c》。

樹木が鬱蒼と茂った山の中を彷徨い、あたりを見渡しているかの様な風景だ。中央やや上には、横たわったような人影が、うっすらと見える。
左手の壁には《2015年の水辺a》。

こちらも山の中、手前の木の枝の向こう側には、谷合に架かる吊り橋とその上の人、の様にも見える。
これまでは、人や物が中心に描かれていた印象が強いのだけれど、この作品は、生い茂る草木の類を取り上げた「風景画」の様に見えてくる。鋤柄さんに聞いてみた。
「(吊り橋のロープの上に)手をこう掛けて、その手の上に顎をのせて下を覗く様な感じで、森の周囲を見渡した」様子が、絵になりそうだと考えたそうな。
「(向かって右側の)《水辺b》から描きはじめ、次にその左側につながる《水辺a》を描いて、《水辺c》と合わせ、3枚でひとつの作品です」 この展示室は狭いので、同じ壁面に3枚を並べて見る事が出来ないのは残念。自身のアトリエでは、3枚を並べながら制作したのだろうか。「(私の)アトリエは狭いので、無理です」 作者自身も、3枚並べて見た事がないのだ。今後、どこか広いスペースでの展示の予定は、ないのだろうか。展示室の入り口に、描きかけの作品が1点置いてあった。「これを、《水辺c》の右側に」持って来て、4枚からなる作品を考えているそうだ。2016年1月末開催の『現代美術in春日井』に、出展予定なので、そこでは、4点からなる作品を見る事ができるかもしれない。
鋤柄さんの描き方が、妙に心に残る。「実際にあるものでないと描けない」ので、自分の身近にある物や人をモチーフにしていると言うのだが、写実的な表現ではない。対象を一度自分の中に全て呑み込み、自身の体の中でかき混ぜた後、少しづつ取りだしてキャンバスに塗り込めるとでも言おうか。その塗り込みが、最近(今年に入って)、少し変わった様に感じている。描き方の基本は変わらないと思うが、モチーフとしての描く対象、特に人が、まわりに溶け込んでいる様で、明瞭に現れてこない。2014年春、岡崎のMasayoshi Suzuki Galleryで鋤柄さんの作品を見たが、それと比べて、2015年初のVOCAの作品は、
《 楽園 》

人が描かれているのはわかるが、ともすれば周りの色に呑み込まれてわからなく成る程だ。その傾向は、今回の作品まで続いている。次回の展示には、どの様な変化を見せるのだろうか、楽しみだ。
「写真、良いですか」返事を待っていると、断られそうだったので、急いで1枚。
・・と、「すいません、逆光なのでもう一枚」

「・・・それくらいで良いです」
アートラボあいちMULTILAYER展の最終日に滑り込んだ。ALA長者町の階段を五階まで上がったところで、鋤柄さんと視線が合った。最終日なので、このあと搬出作業があるのだろう。展示スペースは、狭くて細長いビルの4階と5階。4階に小作品が6点、5階には、大きなサイズの作品が3点+小作品が展示されていた。
手狭な展示室の右手の壁に《2015年の水辺b-c》。

樹木が鬱蒼と茂った山の中を彷徨い、あたりを見渡しているかの様な風景だ。中央やや上には、横たわったような人影が、うっすらと見える。
左手の壁には《2015年の水辺a》。

こちらも山の中、手前の木の枝の向こう側には、谷合に架かる吊り橋とその上の人、の様にも見える。
これまでは、人や物が中心に描かれていた印象が強いのだけれど、この作品は、生い茂る草木の類を取り上げた「風景画」の様に見えてくる。鋤柄さんに聞いてみた。
「(吊り橋のロープの上に)手をこう掛けて、その手の上に顎をのせて下を覗く様な感じで、森の周囲を見渡した」様子が、絵になりそうだと考えたそうな。
「(向かって右側の)《水辺b》から描きはじめ、次にその左側につながる《水辺a》を描いて、《水辺c》と合わせ、3枚でひとつの作品です」 この展示室は狭いので、同じ壁面に3枚を並べて見る事が出来ないのは残念。自身のアトリエでは、3枚を並べながら制作したのだろうか。「(私の)アトリエは狭いので、無理です」 作者自身も、3枚並べて見た事がないのだ。今後、どこか広いスペースでの展示の予定は、ないのだろうか。展示室の入り口に、描きかけの作品が1点置いてあった。「これを、《水辺c》の右側に」持って来て、4枚からなる作品を考えているそうだ。2016年1月末開催の『現代美術in春日井』に、出展予定なので、そこでは、4点からなる作品を見る事ができるかもしれない。
鋤柄さんの描き方が、妙に心に残る。「実際にあるものでないと描けない」ので、自分の身近にある物や人をモチーフにしていると言うのだが、写実的な表現ではない。対象を一度自分の中に全て呑み込み、自身の体の中でかき混ぜた後、少しづつ取りだしてキャンバスに塗り込めるとでも言おうか。その塗り込みが、最近(今年に入って)、少し変わった様に感じている。描き方の基本は変わらないと思うが、モチーフとしての描く対象、特に人が、まわりに溶け込んでいる様で、明瞭に現れてこない。2014年春、岡崎のMasayoshi Suzuki Galleryで鋤柄さんの作品を見たが、それと比べて、2015年初のVOCAの作品は、
《 楽園 》

人が描かれているのはわかるが、ともすれば周りの色に呑み込まれてわからなく成る程だ。その傾向は、今回の作品まで続いている。次回の展示には、どの様な変化を見せるのだろうか、楽しみだ。
「写真、良いですか」返事を待っていると、断られそうだったので、急いで1枚。
・・と、「すいません、逆光なのでもう一枚」

「・・・それくらいで良いです」
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