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あいトリ2016)マーク・マンダース《サイレント・スタジオ》

マーク・マンダース (Mark Manders) 《サイレント・スタジオ》
愛知県美術館10F
(あいちトリエンナーレ2016: 8/11~10/23)

半透明の薄いビニールで囲われ、折れ曲がった通路のような空間に、粘土彫刻がいくつか配置されている。ここは、マーク・マンダースのアトリエとの設定らしい。入口正面に立つのは、身体の一部(上下肢や頭部の少し)が欠損した人の彫刻だ。
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表面は、乾燥のせいなのだろうか、かなりひび割れているが、背面を見ると、粘土を塗りつけた指の跡が残ったままだ。傍には、粘土の塊が入った大きなバケツ。
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制作の途中で、作者は部屋を出たようだ。つい先程なのか、何日も不在なのか。
少し先に見えるのは、ガラスケースに入った頭部の彫刻だ。少し傾いていて、ワイヤーで木製パレットに固定されている。後頭部は、まだ仕上げ途中といった感じで、粘土が塗りつけられた跡が残っている。
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彫刻作品は、ひび割れたり、身体の一部が欠損しているか、又は頭部のように、その一部であったりなのだが、未完成ではないのだろう。じっくり見ていると、これ以上、手を加えなくとも良いように思えてくる。

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キャプションに、「彩色したブロンズ」とあった。
粘土彫刻と思われた作品は、粘土色に塗装されたブロンズ彫刻だった。

一部を欠損した身体、板が食い込んだ頭部、木の板を包んだような椅子に持たれる人、皆ブロンズだ。
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この板もブロンズだ。
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床のビニールの上には、粘土の粉が散らかって、いかにも作家のアトリエと思わせる仕掛けだ。バケツの横にある「青い本」、よく見ると紙ではなく、合板だ。粘土を使う作業には、新聞紙が何かと必要になるものだが、本の横にあるものは、本物の新聞ではない。マーク・マンダースが自ら作成した「新聞(の様な)紙」なのだ。
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見る者を錯覚させる技術は、驚くべきものだが、これは、“エッシャーのだまし絵”の類いではない。
マーク・マンダースは、自らの作品説明で、以下の様に語っている。
  「建物としてのセルフポートレート」
このアトリエを思わせるインスタレーションは、『 自我像 』 なのだ。
彼は、18歳の時、建物によるセルフポートレートが可能だと認識し、それが作家としての誕生の瞬間だと語っている。(→※参:2015インタビュー記事)
ひび割れた表面や、一部砕けた身体彫刻、日付の無い新聞(らしきもの)、《狐、ネズミ、皮ベルト》、空中に浮ぶ大きなイヌ、それら作品を見詰めながら、作者自身と作品制作の状況に思いを馳せるのも面白い鑑賞方法ではないだろうか。

《狐、ネズミ、皮ベルト》・・・狐とネズミの組合せ理由は不明
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空中に浮ぶ大きなイヌ(半透明ビニールの外に支持体があるが、見えない)
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係りの人用の椅子も作品(新聞紙製でなく鉄板)
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